第78期名人戦七番勝負 第6局 豊島名人VS渡辺二冠
豊島竜王・名人と渡辺二冠の対戦となった名人戦もここまで渡辺二冠の3勝2敗と大詰めを迎えました!
豊島竜王・名人が角番を制し、逆王手をかけるのか?
それとも渡辺二冠が名人位を奪取するのか?
注目の第6局となりました!
3手目
渡辺二冠 ▲ なし
豊島名人 △ なし
渡辺二冠の先手で始まった本局ですが、矢倉の出だしとなりました。
矢倉は将棋の純文学と言う名言を米長永世棋聖が残しています。
名人戦の歴史と風格に合った将棋が見られそうです。
30手目
渡辺二冠 ▲ なし
豊島名人 △ なし
後手の豊島名人が米長流急戦矢倉を採用しました。
後手番ながら積極性に動くことが可能です。
65手目
渡辺二冠 ▲ 歩3枚
豊島名人 △ 歩
後手の5筋と6筋の歩の位が大きいように感じます。
検討陣の封じ手予想の本命は△6三金です。
ここまでの消費時間は豊島竜王・名人が3時間16分、
渡辺二冠が4時間44分です。
66手目
渡辺二冠 ▲ 歩3枚
豊島名人 △ 歩
封じ手は大方の予想通り△6三金でした。
形勢判断は難しいですが、玉形の固さは先手に分がありそうです。
87手目
渡辺二冠 ▲ 角、歩3枚
豊島名人 △ 角、桂、歩2枚
先手が横歩を取った局面です。
飛車が捕まっているようですが、△3三歩、▲4四飛、△同歩、▲4一銀が詰めろになります。
1筋の歩が大きく活きる展開となりました。
先手陣は鉄壁ですので、先手が優勢になったと思われます。
94手目
渡辺二冠 ▲ 角、歩6枚
豊島名人 △ 飛、角、桂
後手は▲4一銀からの詰めろを△4二金と寄り、詰めろを防いだ局面です。
ここで、と金で金を取るよりも▲6三角打ちで先手の攻めが途切れることはなさそうです。
99手目
渡辺二冠 ▲ 銀、歩6枚
豊島名人 △ 飛、角、金、桂
この局面で豊島竜王・名人が投了しました。
最後は渡辺二冠が中盤以降に指した手が全て活きる展開となりました。
中学生棋士としてデビューしてから20年以上経ちますが、悲願の名人獲得となりました!
一度はB級1組に降級しましたが、そこからB級1組、A級を全勝で勝ち上がり、勢いそのままに名人を獲得されました。
これで、全棋士の中での序列も1位となりました。
今後の活躍にも期待です。