第77期A級順位戦 豊島二冠VS深浦九段
順位戦も折り返しの5回戦まで進行しています。現在、豊島二冠が4連勝で独走しており、1敗で羽生竜王、広瀬八段、三浦九段が追う状況です。対する深浦九段はここまで1勝3敗と調子はイマイチです。ここで豊島二冠の独走を止めて調子に乗れることができるのか?豊島二冠が連勝を伸ばすのか?注目の一戦です!
30手目
深浦九段 ▲ 角
豊島二冠 △ 角
戦型は角換わりになりました。先後同型の形で最近多い将棋です。角換わりは一気に終盤に入る変化も含んでおり、序盤から目が離せません。
52手目
深浦九段 ▲ 角、歩
豊島二冠 △ 角
後手から△6五歩、▲同歩、△7五歩と仕掛けました。先手玉が8八にいるので、迫力がある攻めです。後手はどこかで飛車を8筋に戻したいところでもあります。
88手目
深浦九段 ▲ 角、桂、歩3枚
豊島二冠 △ 桂、歩2枚
△6二飛も考えられた局面ですが、後手は△9五角と王手をかけました。先手の▲8八玉を警戒した手で、▲8八玉には、△8三飛〜△8六歩が厳しいです。先手玉は右辺に逃げていきたいです。
107手目
深浦九段 ▲ 桂、歩5枚
豊島二冠 △ 金、銀、香
△6二角成、▲同金、△3二角成を狙っていますが、この瞬間は後手玉は安全なので、△6六歩や△6六銀から攻めに出ることが予想されます。どちらが読み勝っているのでしょうか?
投了図
深浦九段 ▲ 飛車、金3枚、銀、桂、歩5枚
豊島二冠 △ 桂、歩2枚
この局面で深浦九段が投了しました。▲3八合をしても即詰みになります。これで豊島二冠が開幕から5連勝と独走状態に入りました。前期も5連勝しましたが後半星が伸びず、プレーオフの末に挑戦権を獲得することが叶わなかったので、今期はこの勢いのまま挑戦を決めたいところです。一方の深浦九段は1勝4敗となり、降級争いも意識していかなければならない状況になりました。両者の今後の活躍に期待です!