第90期棋聖戦挑戦者決定戦 渡辺二冠 VS 郷田九段
GW突入前の4月26日に行われた棋聖戦挑戦者決定戦を振り返りたいとおもいます。
対戦カードは前期圧倒的な強さで復活を遂げた渡辺二冠と羽生世代の一人で本格居飛車党の郷田九段の一局です。
ここまで様々な舞台で戦ってきた両者の対戦成績は23勝14敗で渡辺二冠が勝ち越しています。
今期の成績は渡辺二冠が2勝0敗(1.000)、郷田九段が2勝1敗(0.667)です。
2手目
渡辺二冠 ▲ なし
郷田九段 △ なし
2手目△8四歩で相居飛車が確定しました。
15手目
渡辺二冠 ▲ 角
郷田九段 △ 角
戦型は角換わりとなりました。両者得意としている戦法です。
36手目
渡辺二冠 ▲ 角
郷田九段 △ 角
後手が6筋から仕掛けました。後手の金が△7二金
にいるのがポイントです。▲同歩は後手の駒が前進してくるので指しにくそうです。
41手目
渡辺二冠 ▲ 角、歩
郷田九段 △ 角、歩
先手が駒をぶつけました。以下、△6三銀、▲7七桂、△8六歩、▲同歩、△同飛、▲6四歩から下記の48手目、△5二銀まで進みました。
48手目
渡辺二冠 ▲ 角、歩
郷田九段 △ 角、歩2枚
先手が6筋に拠点を作って良さそうに見えますが…
ただ後手の着手時間もすぐに指された手だったので、読み筋だと思います。
55手目
渡辺二冠 ▲ 角
郷田九段 △ 角、歩2枚
後手の桂が中央に2枚集まる好形になりました。駒の勢いで先手が局面を動かしていきます。
58手目
渡辺二冠 ▲ 角、桂
郷田九段 △ 角、歩2枚
感触の良さそうな桂打ちです。▲5六銀、△6四飛、▲6七金、△6一飛のときに先手が歩切れのため受けが難しそうです。
69手目
渡辺二冠 ▲ 歩
郷田九段 △ 角、銀、歩2枚
△3四歩と桂を取られる前に駒を働かせにいきました。△3四歩には▲1一角成から▲2一馬で迎撃体制を築こうとしています。
90手目
渡辺二冠 ▲ 金、桂、歩2枚
郷田九段 △ 香、歩3枚
後手が追い込みを見せています。▲6七歩の受けに△8一飛の活用が良さそうです…
105手目
渡辺二冠 ▲ 角、金、銀、桂、歩
郷田九段 △ 金、歩2枚
△6八金からの詰めろを防いだ一手です。先手は金一枚のために後手玉にどこまで迫れるか?
投了図
渡辺二冠 ▲ 金、香、歩2枚
郷田九段 △ 銀、歩3枚
この局面で郷田九段が投了しました。渡辺二冠が3冠復帰に向けて棋聖戦の挑戦権を獲得しました!6月4日(火)に兵庫県の「ホテルニューアワジ」で豊島棋聖と対局が行われます!