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第70期王将戦二次予選 永瀬二冠VS久保九段

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8月20日(木)に行われた王将戦二次予選決勝を振り返ります。

 

本局は王将戦二次予選の決勝戦王将戦リーグ入りを決める重要な一局です。

 

久保九段と永瀬二冠の両者は9月から始まる王座戦五番勝負の対戦相手でもあり、本局は前哨戦とも言えます。

 

久保九段の振り飛車に対して、永瀬二冠がどのように迎え撃つか注目です。

 

 

21手目

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久保九段 ▲ なし

永瀬二冠 △ なし

 

久保九段の先手で始まった本局ですが、久保九段がどこに飛車を振るのかが注目の1つでしたが、2筋に振りました。

 

振り飛車の囲いとして美濃囲いが多いですが、最近少しずつ増えてきた△3八玉型で本局は挑みます。

 

後手はどのタイミングで銀冠に組むのかがポイントになりそうです。

 

 

36手目

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久保九段 ▲ なし

永瀬二冠 △ なし

 

36手目で駒がぶつかりました。

 

角頭を狙う自然な攻めです。

 

後手はどのように駒を捌くのかがポイントになりそうです。

 

 

〔 お昼休憩 〕

 

上記の36手目から▲同歩、△同飛、▲7八飛、△1二香とした局面でお昼休憩に入りました。

 

消費時間は☗久保九段が51分、☖永瀬二冠が49分です。

 

本局の持ち時間は3時間で、使い切りますと一手につき1分です。

 

昼食の注文は、ともに「肉豆腐(キムチ)弁当」です。

 

 

52手目

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久保九段 ▲ 角、歩2枚

永瀬二冠 △ 歩2枚

 

後手が馬を作って押さえ込みに成功した印象です。

 

この局面から久保九段が駒を捌くことができるのかが注目です。

 

後手が少し優勢だと思います。

 

 

70手目

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久保九段 ▲ 角、銀

永瀬二冠 △ 桂、香、歩4枚

 

駒割りは▲角、銀・△飛車、桂の交換でほとんどありませんが、後手が2枚飛車を実現しているのと、△9九の馬が遊び気味なのを考慮すると、後手が優勢です。

 

ただ、久保九段は劣勢になってからの粘りにも定評がある棋士です。

 

 

77手目

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久保九段 ▲ なし

永瀬二冠 △ 歩4枚

 

後手が迎撃態勢を整えました。

 

後手が☖3九飛成☗同銀☖2七香成☗同玉☖3九竜の進行を選択すると、☗3三香☖同桂☗2二飛☖3一玉☗4二飛成☖同玉☗3三角成以下で後手玉は詰んでしまいます。

 

 

88手目

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久保九段 ▲ 飛、金、香

永瀬二冠 △ 銀2枚、歩5枚

 

後手が△2二の地点に香車を埋めてから、△3九飛成の筋を決行しました。

 

後手は玉頭から襲いかかっています。

 

玉頭戦になると、△2二の香車も活躍しそうです。

 

 

99手目

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久保九段 ▲ 桂、歩2枚

永瀬二冠 △ 銀、桂、香、歩4枚

 

先手は飛車を受けに投入して、手番の確保を優先しました。

 

後手の方針は▲2七飛を標的に攻めていくのが、わかりやすそうです。

 

 

106手目

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久保九段 ▲ 金、桂、歩2枚

永瀬二冠 △ 角、銀、桂、香2枚、歩4枚

 

後手は▲2二金までの詰めろを△3二銀と受けました。

 

△5三角も考えられる局面でしたが、△3二銀は次に☖2五香☗3七玉☖2七香成☗同金☖1五角☗同歩☖2五桂☗2六玉☖1五竜までの詰みになります。

 

すなわち、詰めろ逃れの詰めろの手になります。

 

 

投了図

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久保九段 ▲ 金、銀、桂、歩3枚

永瀬二冠 △ 飛、香2枚、歩3枚

 

この局面で久保九段が投了しました。

 

以下、☗3六玉☖3五歩☗同馬☖同銀☗2七玉☖2六角成までの詰みになります。

 

永瀬二冠が初の王将戦リーグ入りを決めました。

 

トップ棋士同士の濃厚な対局でした!