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第4期叡王戦七番勝負 第4局 高見叡王 VS 永瀬七段

5月11日(土)に行われた第4期叡王戦七番勝負第4局を振り返りたいと思います。ここまで3連勝で叡王獲得に王手をかけている永瀬七段に対し、カド番に追い込まれた高見叡王ですがここから巻き返したいです。

両者の対戦成績は永瀬七段の6勝0敗とスコアに差が開いています。流れを変えるためにも高見叡王として1勝をあげたいところ…角換わり、矢倉、横歩取りといった相居飛車の将棋が多いです。



8手目

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高見叡王 ▲ なし

永瀬七段 △ なし


横歩取り模様に進んでいます。高見叡王の今期成績は0勝4敗(0.000)と未だに勝ちがありません。一方の永瀬七段は6勝1敗(0.857)と高勝率を維持しています。



18手目

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高見叡王 ▲ 歩3枚

永瀬七段 △ 歩2枚


先手は▲3四飛のまま戦う青野流の選択肢もありましたが、▲3六飛と飛車を引きました。後手も△8四飛、△8五飛の選択肢がありましたが△8四飛型を採用しました。



30手目

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高見叡王 ▲ 歩2枚

永瀬七段 △ 歩2枚


▲3六歩に△3四飛として揺さぶりをかけた局面です。



34手目

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高見叡王 ▲ 角、歩2枚

永瀬七段 △ 角、歩2枚


30手目から▲3七銀、△4四角、▲同角に△4四飛と進んだ局面です。△4四飛に変えて△4四歩ですと、▲4三角、△同金、▲2三飛成の強襲がありました。



36手目

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高見叡王 ▲ 歩2枚

永瀬七段 △ 角、歩2枚


後手が飛車をぶつけました。果たしてどちらが読み勝っているのか…横歩取りらしい派手な展開になりました。



37手目

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高見叡王 ▲ 歩2枚

永瀬七段 △ 角、歩2枚


次の瞬間、気合い負けはしていられないと▲2四飛と飛車交換に応じました。△同銀、▲4一飛、△3一飛、▲同飛成、△同金、▲2二歩が考えられます。後手の主張は先手に角を手放させていることでしょうか、先手は飛車の打ちとこを与えていません。



53手目

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高見叡王 ▲ 歩

永瀬七段 △ 飛、歩3枚


次に▲9四歩から▲9二歩からの香車取りが狙いになります。ですので、後手は△8三歩などで受ける必要があります。形勢は互角だと思いますが、先手の方が龍を作り、角を設置しているので方針は決めやすそうです。後手は△4二の角をどのように活用するかがポイントになりそうです。



65手目

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高見叡王 ▲ 歩

永瀬七段 △ 飛2枚、歩2枚


後手の角が捕まりました。現状の飛車と金の交換ですが、次に▲3一金と角を取れば先手の駒得になりそうです。後手は飛車しかないので、受けに適した駒はありません。



73手目

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高見叡王 ▲ 角、歩

永瀬七段 △ 飛、金、歩2枚


△3八飛打、▲同金、△同飛成、▲7七玉、△2八龍、▲2四馬の進行が一例として考えられます。形勢判断は難しいですが、先手の馬も手厚いので、先手を持ってみたいところです。



86手目

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高見叡王 ▲ 飛、金、桂、歩

永瀬七段 △ 飛、角、歩


駒割りは先手の桂得です。後手が天王山に角を配置した局面です。両取り逃げるべからずとの格言もありますが、先手は攻め合うのでしょうか?



92手目

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高見叡王 ▲ 銀、歩2枚

永瀬七段 △ 飛、角、銀


△5六歩、▲同歩と玉のコビンにスペースを作ってから▲2八馬としました。先手は▲7七玉〜▲8八玉と囲えると端の位も生きてきそうです。



106手目

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高見叡王 ▲ 金、歩3枚

永瀬七段 △ 飛、銀、桂、香、歩


次に△8六桂と跳ねられるのが厳しそうです。銀があれば▲8五銀と受けたいところですが…



投了図

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高見叡王 ▲ 金2枚、香、歩3枚

永瀬七段 △ 香、歩3枚


この局面で高見叡王が投了しました。以下、▲同金、△同銀不成、▲同玉、△7九龍、▲同合、△7六金までの詰みです。この瞬間、新叡王が誕生しました。8タイトルを6人で分けている戦国時代ですが、これからの将棋界を背負っていく新世代の台頭が目立つ今日です!