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第4期叡王戦七番勝負 第3局 高見叡王 VS 永瀬七段

高見叡王に挑戦する叡王戦も第3局まで進みました。ここまで開幕から2連勝と永瀬七段が最高のスタートをきりました。

両者のここまでの対戦成績は永瀬七段の5勝0敗です。そろそろ高見叡王も1勝を返したいところ…

今年度の成績は永瀬七段が5勝1敗(0.833)、高見叡王が0勝3敗(0.000)です。



2手目

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永瀬七段 ▲ なし

高見叡王 △ なし


後手は2手目に△8四歩を選択しました。第1局が角換わり、第2局が横歩取りでした。本局も角換わりか矢倉に進みそうです。



10手目

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永瀬七段 ▲ なし

高見叡王 △ なし


3手目▲6八銀から矢倉に進みました。先手が▲2五歩と決めているのが特徴です。矢倉は後手の急戦策により採用率が激減していますが、タイトル戦の大一番で採用しました。永瀬七段は研究家としても知られているので、新しい手が見れるかもしれません!



28手目

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永瀬七段 ▲ なし

高見叡王 △ なし


3筋の金を△4三の地点に配置しました。2筋が薄くなると思うのですが、堅さよりバランスを重視した指し方です。



43手目

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永瀬七段 ▲ なし

高見叡王 △ なし


同型から先手が仕掛けました。ここから先手が積極的に攻めていく展開になると思います。



53手目

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永瀬七段 ▲ なし

高見叡王 △ 歩4枚


先手が4筋、3筋、2筋と歩を突き捨て銀を進出させました。先手の攻めが好調そうですが、先手玉も決して堅いわけではないで歩を渡し過ぎると反動が厳しそうです。



63手目

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永瀬七段 ▲ 金、桂

高見叡王 △ 桂、歩4枚


自分なら先手を持ってみたい局面ですが…

△同歩ですと、▲同香、△同香、▲3四歩から攻めが繋がりそうです。ですので、1筋は手抜いて別の手が考えられます。



64手目

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永瀬七段 ▲ 金、桂

高見叡王 △ 歩4枚


高見叡王の手は△4六桂でした。△5八金に狙いを定めながら角道を塞いでいます。



74手目

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永瀬七段 ▲ 金、桂、歩2枚

高見叡王 △ 歩


とうとう後手が反撃にでました。▲同歩ですと、△同桂、▲6六銀、△8六歩から攻められそうです。



97手目

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永瀬七段 ▲ 金、桂、歩5枚

高見叡王 △ 歩3枚


後手の攻めも急所をついてきました。次に▲4五桂の狙いがあります。



101手目

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永瀬七段 ▲ 金、桂、歩5枚

高見叡王 △ 歩


後手は△5五歩として角の睨みを防ぎましたが、先手はあくまで後手のコビンを狙いを定めています。△同歩ですと▲5六桂からの攻めがあり、放置すると▲4六金から先手の攻めに厚みがでます。



111手目

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永瀬七段 ▲ 金、桂、歩6枚

高見叡王 △ 香、歩2枚


やはり玉のコビンが急所のようです。先手は端で手に入れた香を打ち込みました。



117手目

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永瀬七段 ▲ 金、銀、桂、歩7枚

高見叡王 △ 香、歩


次の▲4四角が厳しそうなので、ここは△5五角とすると思います…

まだまだ難しい局面です。



投了図

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永瀬七段 ▲ 金、銀、歩8枚

高見叡王 △ 銀、歩


この局面で高見叡王が投了しました。以下、△2三香、△2三銀ともに即詰みが生じており、△2三銀打も銀を使ったことで先手玉の詰めろが消え、▲8六歩と飛車を取られて厳しそうです。

これで永瀬七段が3連勝と叡王獲得に王手をかけました。高見叡王はカド番に追い込まれましたが、ここから巻き返して欲しいです。

第4局は5月11日(土)に広島県の「みやじまの宿 岩惣」で行われます。