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第60期王位戦予選 広瀬竜王VS佐々木勇気七段

夏の王位戦の挑戦者を決める戦いが始まっています。本局は広瀬竜王と佐々木七段の一局です。広瀬竜王は第51期の王位戦でタイトルを獲得しています。翌年、羽生九段にフルセットの末にタイトルを失冠しました。


19手目

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広瀬竜王     ▲ 歩3枚

佐々木七段 △ 歩2枚


後手が横歩取りに誘導し、先手が青野流を選択しました。



29手目

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広瀬竜王     ▲歩2枚

佐々木七段 △歩


後手の歩の垂らしを飛車の横利きで止めました。今後の展開としては8筋の歩の攻防になると思われます。どちらの歩が負担になるのか?



34手目

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広瀬竜王     ▲ 歩2枚

佐々木七段 △ なし


△5三銀から飛車をいじめる展開を後手が狙っています。



39手目

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広瀬竜王     ▲歩2枚

佐々木七段 △ なし


先手が角の活用を図りました。次に▲8六角と歩を取られると後手が厳しそうなので、後手も歩を守る手が求められます。



43手目

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広瀬竜王     ▲ 2枚

佐々木七段 △ なし


先手の飛車をいじめに△6四銀〜△5五銀と進出しましたが、飛車はいじめられにくい展開になりました。次に▲3四歩と伸ばす手も考えられます。



54手目

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広瀬竜王     ▲ 歩2枚

佐々木七段 △ 歩2枚


▲2五桂を受けた手ですが、後手の銀も逃げ場がありません。



61手目

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広瀬竜王     ▲ 歩3枚

佐々木七段 △ 歩



65手目

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広瀬竜王     ▲ 角、歩4枚

佐々木七段 △ 桂、歩


先手が飛車を切りました。△同金上、▲8六角までは進みそうです。その時点での駒割りは飛車、桂と角、銀の交換でほとんど駒の損得はなさそうですが、次に▲2四歩からの銀取りも残っており、先手が指しやすそうです。



70手目

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広瀬竜王     ▲ 角、銀、歩4枚

佐々木七段 △ 桂、歩2枚


後手が△2七飛車から粘りにいった局面です。先手に決め手はあるのでしょうか?



投了図

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広瀬竜王     ▲ 歩4枚

佐々木七段 △ 桂、歩2枚


この局面で佐々木七段が投了となりました。△54手目の△2四銀が敗着の一手と感想戦でも話し合われました。広瀬竜王がタイトルホルダーの貫禄を見せつけた一局でした。