第68期王将戦挑戦者決定戦 佐藤名人VS広瀬八段
11月に入り、冬の訪れを感じさせる季節になってきました。冬の代名詞といえば王将戦ですが、挑戦者を決める戦いが佳境に入ってきました。本局は佐藤名人と広瀬八段の一戦です。ここまでのリーグ成績は佐藤名人が2勝1敗、広瀬八段が4勝1敗です。現在全勝者はおらず、広瀬八段が4勝1敗で抜け出している状況です。佐藤名人が広瀬八段の独走を止めるのか?佐藤名人が挑戦に望むをつなぐのか?注目の一戦です。
29手目
佐藤名人 ▲ 角
広瀬八段 △ 角
戦型は角換わりになりました。両者得意としている戦法です。佐藤名人が飛車を一段目に引きました。最近お馴染みになった形です。
45手目
佐藤名人 ▲ 角
広瀬八段 △ 角
先手が玉頭から攻めました。玉頭だけに後手も怖いところです。△同歩は▲同桂、△4四銀、▲7五歩で先手の攻めが続きそうです。
54手目
佐藤名人 ▲ 角2枚
広瀬八段 △ 金、歩
現局面は角と金の交換で先手の駒得です。しかし、先手も歩切れで均衡は取れていると思います。
71手目
佐藤名人 ▲ 角、歩
広瀬八段 △ 桂、香、歩5枚
先手が桂と香を捨てた猛攻にでました。△同飛、▲5一角の割り打ちがありそうです。先手の猛攻を凌げば後手の駒得が活かせそうです。先手は玉の堅さを活かした展開にしたいです。
83手目
佐藤名人 ▲ 香、歩2枚
広瀬八段 △ 桂、香、歩3枚
△1三歩に▲同龍と切った局面です。△同桂、同銀に▲3三香が狙いの一手になります。ここまでくると先手の攻めがうるさそうです。龍を切る手は流石です!
投了図
佐藤名人 ▲ 金2枚、銀、桂、歩3枚
広瀬八段 △ 飛車、角、歩4枚
この局面で広瀬八段が投了しました。これでリーグ成績を佐藤名人が3勝1敗、広瀬八段が4勝2敗としました。本局は佐藤名人が流石の大局観を見せ、完勝しました。今後の挑戦者争いにも注目です!