第68期王将戦挑戦者決定戦 佐藤天彦名人VS渡辺棋王
冬場の恒例行事といえば王将戦ですが、現在久保王将への挑戦権をかけた戦いが進行中です。
タイトルホルダーが並ぶリーグ戦ですが、今回の対局もタイトルホルダー同士の戦いです。
佐藤天彦名人は現在名人3連覇中で、角換わりや横歩取りを原動力にタイトルを獲得しました。その後は満遍なく戦法を指しているイメージです。力強い受けに定評があります。
一方の渡辺棋王は1回戦の中村王座戦で短手数の将棋で敗れました。挑戦権の獲得のためには負けられない戦いです。
今回はスケジュールの都合で3回戦が行われております。
激闘が予想される本局に注目です!!
64手目
渡辺棋王 ▲ 角、歩3枚
佐藤名人 △ 歩
戦型は角換わりになりました。△6八歩、▲2九飛から△6九角が佐藤名人の研究の手です。次に△3六角成が見えますが、先手も▲7四歩が見えており、こちらの方が厳しそうです。この局面で昼食休憩に入りました。昼食は佐藤名人が特上にぎりで渡辺棋王がヒレカツ丼です。
午後からの対局にも注目です!!
86手目
渡辺棋王 ▲銀、香2枚、歩4枚
佐藤名人 △金、歩
△9九銀に▲同玉、△8七角成とした局面は先手受けなしです。ここで、▲4三歩成からの攻めは佐藤名人は詰まないと見ています。果たして読み勝っているのはどちらでしょうか?!激闘の終盤戦にも注目です!
投了図
渡辺棋王 ▲ 金、銀、歩3枚
佐藤名人 △ 銀、香、歩5枚
この局面で佐藤名人の投了となりました。以下、△9五玉、▲9四金、△8六玉、▲9五銀で詰みです。最後は渡辺棋王が長手数の詰みを見逃さずに勝利しました。全体を通しても佐藤名人の研究を渡辺棋王が冷静に対応した印象です。
これでリーグ成績は渡辺棋王の1勝1敗、佐藤名人の0勝1敗となりました。
今後のリーグ戦の行方にも注目です!!