将棋の神様 〜将棋ブログ〜

将棋はおもしろい!

第60期王位戦予選 渡辺棋王VS石井五段

9月に豊島王位が誕生しましたが、来期に向けた挑戦は既に始まっています。王位戦の特徴として、下克上が起こりやすく、低段の棋士でも勢いそのままにタイトルを取ることもあります。王位戦は他の棋戦とは異なり、シードを採用していません。タイトル保持者やA級、B級1組などの棋士でも予選から戦います。そのため、番狂わせも多い棋戦でもあります。今回の対決もタイトルホルダーと五段の勝負となりました。


11手目

f:id:edogamuku:20181025202951j:plain

渡辺棋王 ▲ 角

石井五段 △ 角


近年の相居飛車では角換わりが多いです。その一因として、矢倉の採用率の低下があります。角換わりは一気に終盤になる変化も秘めており、序盤から見ものです!



41手目

f:id:edogamuku:20181025203428j:plain

渡辺棋王 ▲ 角

石井五段 △ 角


渡辺棋王竜王棋王永世称号を獲得しています。ただ王位の獲得はなく、タイトル挑戦を狙います。一方の石井五段は受けの棋風で、四段昇格時には、森内九段の将棋をよく研究していた旨を伝えています。今回も渡辺棋王の攻め、石井五段の受けの展開が見れるでしょうか?現局面は後手が△3五歩と桂頭を攻めたのに対して、▲4五歩と切り返した局面です。



114手目

f:id:edogamuku:20181025204415j:plain

渡辺棋王 ▲ 角、銀、歩2枚

石井五段 △ 金、銀、桂、歩3枚


後手が△7五歩と指した局面で、先手の銀冠の急所を突いた一手です。ただ、手番が先手に回ってきたので、5五にいる角や4四にいる金を攻めたいところです。



147手目

f:id:edogamuku:20181027081117j:plain

渡辺棋王 ▲ 金、銀、歩3枚

石井五段 △ 飛車、角、歩5枚


▲4五金歩に変えて、▲3五歩なら後手玉が詰んでいました。以下、△同玉、▲2六金、△4六玉、▲3六金、△同と、▲同馬からの詰みがありました。



投了図

f:id:edogamuku:20181027080516j:plain

渡辺棋王 ▲ 角、銀、歩3枚

石井五段 △ 飛車、金、銀、香、歩8枚


この局面で渡辺棋王の投了となりました。途中、後手玉に詰みがありましたが、渡辺棋王が逃した形となりました。王位戦ならではの下克上が起こりました!次回の対局にも注目です!