将棋の神様 〜将棋ブログ〜

将棋はおもしろい!

第66期王座戦 第三局 中村王座 VS 斎藤七段

台風が多い日が続いていますが、そんな台風にも負けない熱戦がこの王座戦でも繰り広げられています。

ここまで斎藤七段の2連勝で、中村王座がカド番に追い込まれました。このまま斎藤七段が初タイトル獲得となるのか、中村王座が踏み止まるのか!?

対局は仙台ロイヤルパークホテルで9時から対局されています。

ところで王座戦といえば羽生竜王の19連覇がやはり印象に強いです。王座戦永世称号は連続5期若しくは通算10期で、他の棋戦と異なり「名誉王座」と呼ばれます。これは囲碁のスポンサーと同一であるためと言われています。さらに、60歳に達すると、「名誉王座」と名乗ることもできます。名誉王座は中原十六世名人と現役では羽生竜王の2人が獲得しています。

歴史のある棋戦に新たな歴史を刻むのはどちらになるのか!?注目の一戦です!!


36手目

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斎藤七段 ▲ 歩

中村王座 △ 歩2枚


戦型は相がかり系の将棋になり、この局面で昼休憩に入りました。昼食は斎藤七段、中村王座ともに仙台牛ハンバーグと温野菜添えです。緊迫した局面で、形勢に差がついてもおかしくありません。無難に指すなら▲8七歩ですが他の手もあるかもしれません。昼食後の対局にも注目です!!



70手目

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斎藤七段 ▲ 金、桂、香、歩2枚

中村王座 △ 金、銀、桂


△7七馬、▲4八玉、△7五桂と跳ねた局面です。後手玉は安全なので、先手玉に猛攻をかけることもできます。先手は歩切れなので、部分的には▲3六香が厳しそうですが、それでも後手玉は安全なので、この局面で中村王座が決めに出るのか注目です!!



投了図

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斎藤七段 ▲ 金、香、歩2枚

中村王座 △ 銀、桂、香、歩3枚


これ局面で斎藤七段が投了しました。後手玉は詰まずに先手玉は詰めろになっています。激戦を制したのは中村王座でカド番を凌ぎました!これで斎藤七段の2勝1敗となりました。この勢いで中村王座がタイに戻し、最終局に持ち込むのか?それとも斎藤七段が王座を奪取するのか?

注目の第4局は10月16日(火)に新潟県の温泉御宿「龍言」で開催されます。

次回の対局にも期待です!!














第68期王将戦挑戦者決定戦 中村王座 VS 渡辺棋王

猛者がうごめく王将リーグでタイトルホルダー同士の対局となりました。
中村王座は角換わりや横歩取りを得意で、苦しい局面でも粘り強い棋風が持ち味の棋士です。
一方の渡辺棋王は、竜王棋王の永世資格保持者で、堅い王形から攻めをつなげるのを得意とする棋士です。
お互いの持ち味を発揮した熱戦に期待です!!

25手目

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中村王座 ▲角

渡辺棋王 △角、歩2枚


戦型は角換わりになりました。先手の中村王座が2筋と3筋の歩を突き捨て、▲4五桂と桂跳ねを決断しました。△4四銀、△2二銀、△3四銀の3箇所に銀の逃げ場がありますが、どこを選択するのでしょうか?ITの影響でこのような早い仕掛けの将棋も増えてきました。


42手目

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中村王座 ▲金、歩

渡辺棋王 △飛車、歩2枚


先手は2筋を突破しました。後手は▲3二成金を取ってしまうと▲2三金で角を取られてしまい、後手が厳しそうです。なので、怖いところですが、玉を逃げました。先手が良さそうに見えますが、決め手はあるのでしょうか!?


投了図

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中村王座 ▲金、銀、歩5枚

渡辺棋王 △桂、香2枚、歩4枚


この局面で渡辺棋王が投了しました。以下△7二玉、▲7三桂成、△同玉、▲7四歩、△同玉、▲7五銀以下詰みです。積極的に攻めた中村王座に軍配が上がりました。これで、リーグ成績は中村王座と広瀬八段が1勝、渡辺棋王と郷田九段が1敗となりました。次回の対局にも注目です!!










第68機王将戦 挑戦者決定リーグ 郷田九段VS広瀬八段

久保王将に挑戦する挑戦者決定リーグが開幕しました。永世称号である永世王将は王将位を通算10期以上獲得で与えられます。現在の永世王将は大山永世王将で、永世王将の資格を持つのは、羽生竜王です。有名な陣屋事件や羽生竜王が七冠達成したのも王将戦で、様々なエピソードのある棋戦でもあります。

郷田九段は羽生世代の1人で、妥協を許さない格調の高い棋風で知られています。

一方の広瀬八段は、デビュー当時は振り飛車穴熊を原動力にタイトルを取りましが、現在は居飛車を中心に指します。今期の竜王戦の挑戦権も獲得しました。

2人のトップ棋士の激闘に注目です!!


44手目

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郷田九段 ▲角

広瀬八段 △なし


戦型は角換わりになりました。後手の広瀬八段が穴熊に潜りました。広瀬八段の穴熊の感覚は独時のものがあります。


95手目

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郷田九段 ▲角、香2枚、歩5枚

広瀬八段 △角、銀、歩3枚


郷田九段が▲3五金とタダのところに金を捨てました。△同金は、▲2五香と勝負にでます。後手は王手がかからない形なので、強い戦いができます。


投了図

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郷田九段 ▲金2枚、銀、歩5枚

広瀬八段 △銀、香、歩3枚


この局面で郷田九段の投了になりました。以下、▲5五玉、△7七馬、▲5六玉、△8六飛までで詰みとなります。開幕戦に相応しい激闘となりました。次回の対局にも注目です!!





第59期王位戦 第7局 2日目 菅井王位VS豊島棋聖

王位戦第7局も2日目に突入しました。戦型は相穴熊で、形勢は互角の局面で菅井王位が封じ手をしました。現在、タイトルは8つありますが、8つのタイトルを8人で占めている戦国時代です。豊島棋聖が本局に勝てば、二冠となりタイトル数で頭一つ抜き出ることになります。


73手目

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豊島棋聖 ▲なし

菅井王位 △歩


穴熊の桂を跳ねた局面です。6筋に数を足して位を確保しました。先手は上部には手厚い形ですが、横からの攻めには弱くなった印象です。本来なら穴熊の桂を跳ねるのは良くないとされていますが、本局にはどのように影響するのでしょうか?


103手目

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豊島棋聖 ▲飛車、香、歩

菅井王位 △角、金、桂、歩3枚


先手が端から手をつけました。△9四同銀、▲9三歩が詰めろになり、角が効いているため△同銀とはできません。△同桂ですと、穴熊が弱体化するため、先手が良さそうな局面です。


投了図

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豊島棋聖 ▲銀

菅井王位 △角、金、銀、桂、香、歩5枚


この局面で菅井王位が投了しました。△同玉は▲7四銀まで、△8二玉は▲7二金、△9一玉、▲8二金までで詰みとなります。これで、フルセットの激闘の末に豊島棋聖が王位を奪取し、二冠になりました!

挑戦者にはなるも羽生竜王や久保王将の壁に阻まれ、長い間タイトルを獲得できなかった豊島棋聖ですが、一気にタイトルを独占しました。A級順位戦でも3戦全勝で佐藤天彦名人への挑戦権を狙います。今後の豊島棋聖の活躍にも期待です!!

惜しくも敗れてしまった菅井王位ですが、この敗戦を糧に、さらなる飛躍に期待したいと思います!!

激戦を終えた両者に拍手を送りたいと思います!


第59期王位戦 第7局 1日目 菅井王位VS豊島棋聖

王位戦も最終局となりました。菅井王位が、王位を連覇するのか、豊島棋聖が二冠を達成するのか注目の1戦です。

菅井王位は基本は振り飛車党で、捌きを重視した棋風です。しかし、相居飛車の将棋も指しこなし、前期の王位戦では6連覇中の羽生竜王を下し、平成生まれで初めてのタイトルホルダーになりました。

豊島棋聖は序盤、中盤、終盤において隙がなく(笑)、研究家としても知られています。居飛車振り飛車ともに指しこなすオールラウンダーで、抜群の大局観で相手を押し切る棋風です。棋聖戦では、羽生竜王を3勝2敗で破り、悲願の初タイトルを獲得しました。

若きタイトルホルダー同士の戦いに注目です!!


48手目

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豊島棋聖 ▲角

菅井王位 △角


戦型は相穴熊になりました。長い戦いを予感させる状況になりました。相穴熊は序盤にどれだけポイントを稼ぐかが大事になります。先手が手を出して作れるかがポイントで、▲3六歩から桂頭を狙うとしたら△7三角に対する対応が求められるます。この後の局面にも注目です!


51手目

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豊島棋聖 ▲角

菅井王位 △角


この局面で昼食に入りました。昼食は、豊島棋聖がチキンのポワレ、グループフルーツジュース、菅井王位は、とんかつ定食とバニラアイスでした。先手が銀冠穴熊を目指しました。後手は手詰まり感があり、このまま先手が銀冠穴熊まで指せれば、先手の作戦勝ちではないでしょうか?まだまだ長くなりそうです!


63手目

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豊島棋聖 ▲角

菅井王位 △なし


この局面で菅井王位の手番で、封じ手に入りました。△6六歩が自然で、▲6八飛車が予想されますが、そこで△7三角に対する対応が求められます。現局面は互角で、2日目にも注目です!!

第49期新人王戦 準決勝 藤井七段 VS 青嶋五段

新人王戦も大詰めを迎えました。藤井七段と青嶋五段の一戦です。

藤井七段は言わずも知れた将棋界のスターで、特に終盤力は棋界随一と定評があります。新人王戦の参加資格は26歳以下で、かつ、六段以下ですが藤井七段は開幕前に六段以下だったため、今大会が最後の新人王戦になります。

一方の青嶋五段は、振り飛車穴熊を得意としていますが、角換わりや横振りも指しこなすオールラウンダーです。チェスも趣味としており、2015年に行われたチェスの全日本快速選手権では初参加で初優勝をした程の腕前です。

果たして決勝三番勝負に駒を進めるのはどちらになるのか、注目の一戦です。


43手目

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青嶋五段 ▲ なし

藤井七段 △ 歩


昼食休憩の再開後の局面です。青嶋五段は焼肉、ご飯、味噌汁のセット、藤井七段はバターライスを昼食として注文しました。戦型は右玉VS矢倉になり、先手が局面を動かしにいきました。


98手目

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青嶋五段 ▲ 飛車、金、桂、香、歩5枚

藤井七段 △ 金、銀、桂、香、歩


藤井七段が△6五桂と打った局面です。▲同歩なら、△6六桂や△7五角が見える局面です。なんといっても後手玉は堅く、後手が優勢と見て間違えないと思います。藤井七段がこのまま押し切るのか、青嶋五段が粘りを見せるのでしょうか?


投了図

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青嶋五段 ▲ 飛車、金、銀、桂、歩5枚

藤井七段 △ 金、香2枚、歩


この局面で青嶋五段が投了しました。▲3七合は△2七金、▲1六玉、△1五歩、▲同玉、△1四香、▲同玉、△1三香までの詰みで、どのように応じても詰みます。これで、藤井七段の決勝三番勝負の進出が決定しました!決勝の相手は出口三段と戦います。

10月10日の決勝三番勝負の第1局にも注目です!!



第66期王座戦第2局

季節も夏から秋に移り、王座戦の季節になりました。

王座戦といえば長く絶対王座の羽生竜王が君臨していましたが、前期、中村王座が挑戦者となり、王座を奪取しました。

今期は若手の斎藤七段の挑戦を受け、ここまで、斎藤七段の1勝です。本局で、中村王座がタイに戻すのか、斎藤七段が勢いそのままに王手をかけるのか見ものです。


72手目

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中村王座 ▲角、銀、歩2枚

斎藤七段 △角、歩


自然な▲7七桂は△8九角が詰めろになります。形勢は後手の斎藤七段が優勢な局面だと思います。ただ、中村王座の粘りは昨年の王座戦でもすごかったので、簡単には終わらないと思います。

昼食は中村王座がスペシャルハンバーグとウーロン茶、斎藤七段もスペシャルハンバーグとパイナップルジュースでした。



92手目

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中村王座 ▲角2枚、金、銀、桂2枚、歩3枚

斎藤七段 △歩2枚


先手玉が寄るか寄らないの勝負になりました。先手玉は裸ですが、後手も戦力不足かもしれません。最後まで見どころ満載の勝負になりました。



投了図

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中村王座 ▲角、金、桂、歩5枚

斎藤七段 △銀、歩


△7七桂成までで中村王座の投了となりました。以下、▲9七玉、△8七成桂、▲同銀、△8八銀までです。これで、斎藤七段が王座奪取まであと1勝としました。追い込まれた中村王座ですが、ここから粘りを見せるのでしょうか?次回の対局にも注目です。


次回の対局は10月2日の宮城県仙台市の仙台ロイヤルパークホテルで開催されます!




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王位戦予選 郷田真隆九段 VS 飯塚祐紀七段

現在、菅井王位と豊島棋聖による王位戦7番勝負が開幕されていますが、すでに来期に向けての予選は始まっています。

本局は郷田九段と飯塚七段の一戦です。



3手目

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飯塚七段 ▲ なし

郷田九段 △ なし


郷田九段が早々に居飛車を明示すると、飯塚七段は矢倉を目指す立ち上がりになりました。「矢倉は終わった」とも言われているのは有名な話ですが、飯塚七段は矢倉が終わっていないところを見せてくれるのでしょうか?注目の一戦です。


52手目

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飯塚七段 ▲ 歩3枚

郷田九段 △ 歩


この局面で昼食休憩に入りました。消費時間は飯塚七段が58分、郷田九段が37分で、昼食は飯塚七段が炒飯、郷田九段が冷やしとろろそばです。

先手の▲8六歩、△同歩、▲8七歩、△同金、▲8六角の手順は見習いたいです。以下、▲5九角成、△同玉、▲8七飛車成で先手良しです。現局面は郷田九段の方が指しやすそうに感じます。



66手目

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飯塚七段 ▲ 角、銀、歩

郷田九段 △ 角、歩


郷田九段が長考で▲9八銀と打った局面です。△8八金は▲7六歩、△9八金、▲7七歩成、△同金、▲6五角で金銀両取りになってしまいます。後手の攻めが決まっているのでしょうか?



87手目

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飯塚七段 ▲ 角、銀、歩3枚

郷田九段 △ 飛車、銀、歩2枚


飯塚七段が▲8七玉と指した局面です。次に▲9六玉と上がれば、しばらくは寄らない形になります。飯塚七段の粘り強い差し回しで形勢は先手良しとも言えない形になってきました。



147手目

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飯塚七段 ▲ 歩5枚

郷田九段 △ 角、金、桂2枚


すごい将棋になってきました(笑)もうこの局面では先手が勝ちにくい局面です。先手玉は上部が手厚く、入玉も見えてきました。後手が勝つには、入玉を目指さないといけないようにも感じますが、郷田九段の構想はどうなのでしょうか?


194手目

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飯塚七段 ▲ 飛車、金3枚、桂、歩3枚

郷田九段 △ 歩3枚


この局面で飯塚七段の投了となりました。優勢に進めていた郷田九段ですが、飯塚七段の粘り強い差し回しに最後まで気の抜けない熱戦となりました。途中は後手が優勢になる局面もあったと思いますが、郷田九段の勝ちとなりました!

敗れた飯塚七段ですが、矢倉はまだ終わっていないことを証明してくれた一局だったと思います。

次回の対局にも期待です!!












王座戦第1局 中村太一王座 VS 斎藤慎太郎七段

台風21号が到来している中、神奈川県の「陣屋」で第66局王座戦の第1局が開幕しました。

前期、絶対王座の羽生竜王を破り王座に就いた中村王座が初防衛するのか、初タイトル奪取を目指す斎藤七段がタイトルを奪取するのか注目の一戦です。


36手目

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斎藤七段 ▲ 角

中村王座 △ 角


戦型は角換わり腰掛け銀で最近流行中の4八金と2九飛車型になりました。王座戦の持ち時間は各5時間です。両者序盤の研究も豊富で気が抜けません。後手は7二金が工夫の一手です。


43手目

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斎藤七段 ▲ 角

中村王座 △ 角、歩


この局面で中村王座が10分使い、休憩にはいりました。昼食は中村王座がチキンカレーとグレープフルーツジュース、斎藤七段がビーフカレーとアップルジュースです。消費時間は斎藤七段が1時間33分、中村王座が1時間10分です。



49手目

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斎藤七段 ▲ なし

中村王座 △ 角、歩2枚


桂跳ねから斎藤七段が猛攻を仕掛け、2筋を突破しました。次に▲3三角、▲3三銀引きが考えられます。後手として猛攻を受けきる必要があり、大変な将棋に感じられます。



62手目

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斎藤七段 ▲ 歩

中村王座 △ 角、歩


銀の割打ちが入りました。ここから、▲2五飛車、△4八銀成、▲3四飛車、△2五角が詰めろ飛車取りでこれは先手がいけません。検討陣の形勢は難しいとの判断です。



80手目

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斎藤七段 ▲ 銀、歩2枚

中村王座 △ 角、金、桂、歩


感想戦で中村王座が後悔した一手です。角道を通した手ですが、自玉の歩を突く一手でリスクの高い一手でもあります。激闘の終盤を制するのはどちらになるのでしょうか⁈



100手目

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斎藤七段 ▲ 角、桂、歩4枚

中村王座 △ 金、歩2枚


斎藤七段はと金を活用して中村王座を追い詰めます。しかし、中村王座も馬と飛車を交換すると、敵陣に飛車を打ちつけました。

斎藤七段が優勢だと思っていましたが、ここまでくると難解な局面です。王座戦は5戦なので、開幕の1勝は非常に大事です。



135手目

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斎藤七段 ▲ 桂、歩7枚

中村王座 △ 桂、歩3枚


この局面で中村王座が投了しました。以下、▲8三金、△同金、▲同飛車、△同玉、▲7三金の詰めろです。先手玉は詰みません。斎藤七段が優勢に進めましたが、中村王座の粘りも流石です。

第2局は9月20日京都市のウスティン都ホテル京都で開幕します。次回の熱戦にも期待です!






棋王戦挑戦者決定戦 菅井王位 ー 藤井七段

タイトル保持者としての貫禄が出てきた菅井王位と今後も活躍が期待される藤井七段との一戦です。
過去の対戦成績は菅井王位の1勝0敗です。

18手目

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菅井王位 ▲ なし

藤井七段 △ なし


菅井王位の先手で始まった本局はゴキゲン中飛車対超速の対抗形になりました。前回の対局も同じ戦型で菅井王位が制しています。


52手目

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菅井王位 ▲ 歩2枚

藤井七段 △ 歩2枚


藤井七段が5筋に狙いを定めます。次に▲5五歩が予想されますが、△4四飛車で問題ありません。


62手目

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菅井王位 ▲ 銀、歩

藤井七段 △ なし


藤井七段が銀を打ち込みました。技が決まったように見えますが、菅井王位の差し回しに注目です。


133手目

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菅井王位 ▲金2枚

藤井七段 △飛車、角、桂3枚、歩5枚


激闘の結果、133で藤井七段の投了となりました。中盤は藤井七段がリードしていたと思いますが、菅井王位が一瞬の隙をを見逃さずに勝利を奪いました。これで対戦成績は菅井王位の2勝0敗となり、藤井七段にとっては同一人物で初めての連敗となりました。


次の対局にも期待です!

王将戦2日目振り返ろう!

いよいよ年も明けまして、王将戦の季節がやってきました。現在の王将は振り飛車党党首の久保王将です。さばきのアーティストとして数々の名局を築いてきました。対します挑戦者は若手のホープ豊島八段です。豊富な読みと研究で他の棋戦でも勝ちまくっています。


13手目


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先手 ▲久保王将 なし

後手 △豊島八段 なし


先手の久保王将の初手は▲7七歩で角道を開けました。久保王将が振り飛車にすることは確実でしょうが、豊島八段の作戦が注目される中、相振り飛車が確定しました。この戦型は先月のA級順位戦でも指されており、久保王将が勝利しております。豊島八段の研究に注目です。


28手目


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先手 ▲久保王将 なし

後手 △豊島八段 なし


先手は矢倉を目指しており、後手は美濃囲いに囲いました。先手は9筋の歩をつき越しており、その分囲いの整備が遅れておりました。そこになんと豊島八段の28手目▲4五銀とぶつけました!先月の竜王戦第5局の銀のぶつけを思い出します。△同銀、▲同歩、△3三角成、▲同桂までは進むと考えられます。後手の狙いは5五角がありますが、先手としましても、指したい手は指しております。これも豊島八段の研究の範囲内なのでしょうか?今後の展開に注目です!


48手目


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先手 ▲久保王将 なし

後手 △豊島八段 角、銀 、歩3枚


先程から先手は▲6六角と打ちました。後手の5五角の狙いを消しており桂も睨んでいる一手です。そこで豊島八段は△4四角と打ちました。私の感覚としましては、ここに銀を使うのは後手を引いている感じがしましたが、これも研究の内なのでしょうか?しかし飛車先の歩をつき、▲3三銀を強要した後の△3五歩は流石の構想でした。お互いに一歩も引かず、流れるような手順で図まで進みました。


55手目


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先手 久保王将 銀

後手 豊島八段 角、金、銀、歩2枚


先手は飛車を取りましたが、△2八歩が厳しく、同玉と取ると2六歩が詰めろになり後手の攻めを速めてしまいます。△4三飛成も甘く後手の攻めの方が速いので、久保王将は桂を取るために成銀を引きました。ここで本局で初めて豊島八段が長考し時間を使います。△2九歩成、▲2五成銀までは予想されますが、豊島八段の構想はいかに!?

ここで豊島八段が1時間21分を使い、封じ手にしました。消費時間も久保王将が4時間29分に対し、豊島八段が2時間57分と1時間以上の差があります。検討陣も後手優勢で一致しております。

34手目の△4四銀は重いと思ったのですが、豊島八段の構想力には恐れいります(笑

2日目も激戦に期待しましょう!



2日目は豊島八段が待望のタイトル獲得に向けて好発進をきれるのか、それとも久保王将が防衛の足がりを作るのか、注目の1戦です。



56手目


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先手 ▲久保王将 銀

後手 △豊島八段 角、金、銀、桂、歩2枚


封じ手は大方の予想通り△2九歩成でした。次の△2五成銀から上部に逃げられそうですが、そこは、4三の金も効いており厳しそうです。


64手目







竜王戦1日目を振り返ろう!

渡辺明竜王羽生善治棋聖が挑戦する竜王戦七番勝負の第5局が12月4、5日に鹿児島の「指宿白水館」で行なわれました!

 

羽生棋聖がこの対局に勝てば竜王を通算7期獲得し、永世竜王の資格を得るとともに永世七冠という前人未踏の地に足を踏み入れることになります。

 

ここまでは3勝1敗で迎えておりなんとしてもこの対局で決めたいところであります。

 

羽生棋聖の先手で注目の初手は▲7七歩でした。

 

 

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羽生 ▲なし

渡辺 △なし

 

戦型は角換わり腰掛け銀になりました。

渡辺竜王は6ニ金➕8一飛車型で隙のない陣形で相手の動きをうかがいます。

しかし、なんとここで羽生棋聖は4五銀とぶつけます。

定説ではこのぶつけはダメと言われていただけに度肝をぬかれました!

 

37手目

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羽生▲角

渡辺△角

 

そこから、△5五銀、▲2五桂、△4ニ桂、▲1五歩、△3七角、▲2九飛、△4六角成、▲4九飛、△1五歩と進みます。

 

46手目

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羽生▲角

渡辺△歩2

 

ここで羽生棋聖封じ手となります。

この時点では、すでに羽生棋聖の方が形成がいいとの結論でした。▲4六飛〜▲3四銀〜▲4五角が厳しいとのことでした。

 

いやーこの大一番で積極的な指し回しはすごいですね!

2日目も見逃せません!

 

 

 

 

 

 

 

王将戦1日目を振り返ろう!

いよいよ年も明けまして、王将戦の季節がやってきました。現在の王将は振り飛車党党首の久保王将です。さばきのアーティストとして数々の名局を築いてきました。対します挑戦者は若手のホープ豊島八段です。豊富な読みと研究で他の棋戦でも勝ちまくっています。


13手目


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先手 ▲久保王将 なし

後手 △豊島八段 なし


先手の久保王将の初手は▲7七歩で角道を開けました。久保王将が振り飛車にすることは確実でしょうが、豊島八段の作戦が注目される中、相振り飛車が確定しました。この戦型は先月のA級順位戦でも指されており、久保王将が勝利しております。豊島八段の研究に注目です。


28手目


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先手 ▲久保王将 なし

後手 △豊島八段 なし


先手は矢倉を目指しており、後手は美濃囲いに囲いました。先手は9筋の歩をつき越しており、その分囲いの整備が遅れておりました。そこになんと豊島八段の28手目▲4五銀とぶつけました!先月の竜王戦第5局の銀のぶつけを思い出します。△同銀、▲同歩、△3三角成、▲同桂までは進むと考えられます。後手の狙いは5五角がありますが、先手としましても、指したい手は指しております。これも豊島八段の研究の範囲内なのでしょうか?今後の展開に注目です!


48手目


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先手 ▲久保王将 なし

後手 △豊島八段 角、銀 、歩3枚


先程から先手は▲6六角と打ちました。後手の5五角の狙いを消しており桂も睨んでいる一手です。そこで豊島八段は△4四角と打ちました。私の感覚としましては、ここに銀を使うのは後手を引いている感じがしましたが、これも研究の内なのでしょうか?しかし飛車先の歩をつき、▲3三銀を強要した後の△3五歩は流石の構想でした。お互いに一歩も引かず、流れるような手順で図まで進みました。


55手目


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先手 久保王将 銀

後手 豊島八段 角、金、銀、歩2枚


先手は飛車を取りましたが、△2八歩が厳しく、同玉と取ると2六歩が詰めろになり後手の攻めを速めてしまいます。△4三飛成も甘く後手の攻めの方が速いので、久保王将は桂を取るために成銀を引きました。ここで本局で初めて豊島八段が長考し時間を使います。△2九歩成、▲2五成銀までは予想されますが、豊島八段の構想はいかに!?

ここで豊島八段が1時間21分を使い、封じ手にしました。消費時間も久保王将が4時間29分に対し、豊島八段が2時間57分と1時間以上の差があります。検討陣も後手優勢で一致しております。

34手目の△4四銀は重いと思ったのですが、豊島八段の構想力には恐れいります(笑

2日目も激戦に期待しましょう!