将棋の神様 〜将棋ブログ〜

将棋はおもしろい!

第31期竜王戦七番勝負 第2局 2日目 羽生竜王VS広瀬八段

羽生竜王のタイトル通算100期獲得に注目が集まる中、第2局の2日目も開幕しました。羽生竜王竜王を失冠すると27年ぶりに無冠となります。広瀬八段は王位獲得の実績もありますが、タイトルからは離れている期間も長く、トッププロとしてタイトルの獲得が期待されます。


封じ手

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広瀬八段 ▲ 角2枚、金、桂

羽生竜王 △ 歩3枚


封じ手は△7六銀でした。後手の攻めは細そうですが、先手も歩切れで受けは難しいかもしれません。ただ、先手が正確に指せば局面をリードできると思います。▲7七桂か▲7七金で受けた時の後手の一手に注目です!



117手

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広瀬八段 ▲ 金、銀、歩

羽生竜王 △ 銀、桂、歩3枚


先手玉が寄るかどうかの局面になりました。後手は上に逃がさないようにしたいです。ただ、先手玉を寄せるのも難しそうです。



投了図

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広瀬八段 ▲ 飛車、金、香、歩3枚

羽生竜王 △ 銀、歩


△8五桂、▲同角、△8六金の詰めろです。後手は受けが難しく投了もやむを得ない局面です。これで羽生竜王が開幕2連勝で防衛に大きくリードしました。羽生竜王が一気に王手をかけるのか?広瀬八段が踏み止まるのか?注目の第3局は11月1日に茨城県の「鹿島神宮」で開幕します!!







第31期竜王戦七番勝負 第2局 1日目 羽生竜王VS広瀬八段

本日は竜王戦の第2局が福岡県の「宮地嶽神社」で開幕します。第1局は激戦の末に羽生竜王が制しており、羽生竜王が開幕2連勝するのか?広瀬八段がタイに戻すのか?注目の一戦です!


11手目

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広瀬八段 ▲ 角

羽生竜王 △ 角


戦型は角換わりになりました。このシリーズでも本命に挙げられている戦型です。最近は▲2五歩と突く形が多くなりました。



51手目

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広瀬八段 ▲ 角、桂、歩

羽生竜王 △ 歩


先手が桂得をしました。△8七角成に、先手は▲8二歩、△同歩、▲7一角と攻め合いに出ることも考えられます。先手が正確に受け切れば、先手優勢の局面だと思います。私ではすぐに潰されそうです笑



59手目

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広瀬八段 ▲ 角2枚、金、桂

羽生竜王 △ 歩3枚


この局面で羽生竜王封じ手をしました。△7六銀の一手ですが、その後の展開も考えていると思われます。羽生竜王の攻め、広瀬八段の受けの展開になりました。2日目にも注目です!!





第39回日本シリーズJT杯 羽生竜王VS渡辺棋王

冬が近づき、日が短くなってきたこの頃、日本シリーズもベスト4が出揃いました。本局は準決勝第一局の羽生竜王と渡辺棋王の一戦です。ここまでの通算成績は羽生竜王の40勝35敗です。本局は76局目になります。一時期は渡辺棋王が勝ち越していましたが、現在は羽生竜王が盛り返しています。

2人は大舞台で戦うことが多く、永世竜王の称号をかけた第21期竜王戦は伝説となっています。羽生竜王の3連勝後の渡辺棋王の4連勝で、将棋界初の3連敗後の4連勝で渡辺棋王永世竜王を獲得しました。それから9年後、第30期竜王戦で羽生竜王が雪辱を果たし、永世竜王を獲得しました。これにより、永世7冠も達成し、国民栄誉賞も受賞しました。

そんな2人の平成のゴールデンカードの対局に期待です!



11手目

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渡辺棋王 ▲ 角

羽生竜王 △ 角


戦型は角換わりになりました。相掛りの出だしでしたが、渡辺棋王が角換わりに誘導しました。短い時間の将棋ですので、先手の利を生かして攻める展開に持ち込むことも一つの考えにあると思います。



72手目

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渡辺棋王 ▲ 歩3枚

羽生竜王 △ 桂、歩2枚


▲5五角の数の攻めに対して、△3二飛と受けた局面です。玉と飛車が接近して怖い局面です。渡辺棋王の攻め、羽生竜王の受けの展開になりました。



84手目

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渡辺棋王 ▲ 飛車、金、歩

羽生竜王 △ 角、桂、歩4枚


厳しそうな桂打ちが入りました。しかし、▲7九玉、△4八桂成に▲8七銀が壁銀を解消し、粘り強い指し回しにみえます。



105手目

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渡辺棋王 ▲ 金、歩

羽生竜王 △ 飛車、金、歩6枚


この局面で羽生竜王の投了となりました。これで渡辺棋王が決勝進出を決めました。次に10月27日に大阪市で行われる丸山九段と菅井七段の勝者と戦います。次回の対局にも注目です!








第66期王座戦 第4局 中村王座 VS 斎藤七段

王座戦も佳境に入ってきました。ここまでの成績は斎藤七段が開幕から2連勝しましたが、中村王座がカド番を凌ぎました。斎藤七段が王座を獲得するのか?中村王座がカド番に追い込むのか?注目の一戦です!


10手目

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中村王座 ▲ なし

斎藤七段 △ 角


戦型は角換わりになりました。以前は先手が▲2六歩で保留する将棋が多かったですが、現在では▲2五歩と指す将棋も多いです。



66手目

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中村王座 ▲ 飛車、歩

斎藤七段 △ 銀2枚、桂2枚、歩2枚


▲4五銀、△7五歩、▲3四銀、△同玉、▲4五角、△3三玉、▲8一角成、△7四歩まで進んだ局面です。先手は王手飛車取りで飛車を取りましたが、この△7四歩の取り込みも王手飛車取りに匹敵する程厳しそうな手です。角のラインは受けが難しいです!



84手目

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中村王座 ▲ 銀、桂、歩

斎藤七段 △ 飛車、金、銀


拠点を生かした攻めです。後手は飛車を持っているので、王手から△2五飛成として入玉を狙うこともできます。激闘の終盤です!



投了図

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中村王座 ▲ 飛車、角、金3枚、桂、歩2枚

斎藤七段 △ 銀、桂、歩2枚


この局面で斎藤七段が投了しました。これで2勝2敗の成績になり、10月30日に山梨県の「常盤ホテル」で行われる第5局で決着がつきます。中村王座の防衛か?斎藤七段の新王座の誕生か?時間の対局にも注目です!!





第77期A級順位戦 豊島二冠VS糸谷八段

順位戦も中盤に差し掛かってきました。本局は4回戦で、3戦全勝の豊島二冠と1敗で追う糸谷八段の一戦です。このまま豊島二冠が独走態勢に入るのか?糸谷八段が豊島二冠の勢いを止めるのか?中盤の山場の一戦です!


2手目

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糸谷八段 ▲ なし

豊島二冠 △ なし


両者ともに居飛車を明示しました。豊島二冠は基本的に居飛車党ですが、相振り飛車なども指しこなします。一方の糸谷八段は角換わりの将棋を得意としています。後手番ですと、一手損角換わりの採用が多かったですが、最近ですと阪田流向かい飛車などの採用も多くなっており、戦法の幅が広がっている印象です。



40手目

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糸谷八段 ▲ 角、歩2枚

豊島二冠 △ 角、歩2枚


△4五歩と指した局面です。代えて、△2四歩や△2七歩が予想されましたが、2筋を受けずに先手の銀の対応を聞きました。▲3七銀ですと穏やかな展開になることが予想されますが、▲3五銀ですと激しい変化になりそうです。△同銀ですと▲2三飛成があるので、△同銀とは取れません。



98手目

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糸谷八段 ▲ 角、桂、歩3枚

豊島二冠 △ 銀、歩


△7五歩は先手の▲8六角を消した意味が強そうです。代えて、△3九龍も考えられる局面でした。



投了図

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糸谷八段 ▲ 飛車、角、歩4枚

豊島二冠 △ 銀、桂


この局面で糸谷八段が投了しました。以下、▲同金は△8六桂、▲8七玉、△7八銀、▲同金、△8九龍、△8八合、▲7五桂で詰みます。▲同玉は△6八龍から詰みます。これで豊島二冠が4戦全勝とし、羽生竜王、三浦九段、広瀬八段が1敗で追う形となりました。次回の対局にも注目です!!





第39回日本シリーズJT杯 中村王座VS菅井七段

過ごし易い季節になりました。これから段々と肌寒い季節になり、冬が近づいて来るのでしょう。

将棋の方は竜王戦が盛り上がっていますが、本局の日本シリーズも若手同士の激闘が期待されます。日本シリーズは「前回優勝者」、「タイトル保持者」、「獲得賞金のランキング上位者」の順で、選ばれた12人がトーナメントで凌ぎを削る戦いとなります。

本局は、出場順位4位の菅井七段と出場順位5位の中村王座の一戦となります。


2手目

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菅井七段 ▲ なし

中村王座 △ なし


振り駒の結果、菅井七段が先手となり、中飛車の出だしになりました。菅井七段の振り飛車は独特の世界観で、それを迎え撃つ中村王座も粘り強い棋風です。激戦に期待です!



33手目

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菅井七段 ▲ 歩

中村王座 △ 歩


菅井七段は▲5四飛〜▲3六飛としました。後手が3四の歩を守るには、△3三銀とするしかありませんが、その時に後手の角が使いづらいという主張でしょうか?



95手目

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菅井七段 ▲ 銀、桂3枚、歩3枚

中村王座 △ 桂、歩


先手が2枚のと金を作り、入玉含みで角取りに出ました。後手は、飛車香と銀桂の駒損ですが、と金の存在が大きく、左辺の桂、香が捌けてもいます。左桂は振り飛車の命とも言われている程で、その駒が捌けているのは大きいと思います。形勢は後手が良いと思います。



投了図

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菅井七段 ▲ 銀、桂2枚、歩3枚

中村王座 △ 角、歩


この局面で中村王座が投了しました。△同玉、△同金ともに詰み筋に入ってしまいます。菅井七段が準決勝に進出を決めました!

これでベスト4が揃いました。準決勝第1局は10月21日に羽生竜王と渡辺棋王が戦います。菅井七段は丸山九段と準決勝第2局を戦います。

次回の対局にも注目です!!




第31期竜王戦七番勝負 第1局 2日目 羽生竜王VS広瀬八段

封じ手

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羽生竜王 ▲ 角、歩2枚

広瀬八段 △ 角、歩2枚


封じ手の局面は予想外の▲7四歩でした。△同飛とされた時に7八の金に当たりますが、羽生竜王の対応が求められます。



80手目

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羽生竜王 ▲ 飛車、銀、歩2枚

広瀬八段 △ 飛車、角2枚、歩


次に▲5三桂成、△同玉、▲4一飛が考えられます。形勢は難しい局面です。竜王戦の開幕に相応しい激闘です!



87手目

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羽生竜王 ▲ 銀、歩3枚

広瀬八段 △ 角、桂、歩


△2一飛ですと、▲3二桂成が詰めろ飛車取りになります。形勢は難解な局面です。



投了図

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羽生竜王 ▲ 香

広瀬八段 △ 金、香、歩3枚


この局面で広瀬八段の投了となりました。次の▲2五香が受けづらく、先手も鉄壁なので投了もやむを得ません。羽生竜王がタイトル通算100期獲得に向けて好スタートを切りました。

第2局は10月23、24日に福岡県の宮地嶽神社で行われます。次回の対局にも注目です!!







第31期竜王戦七番勝負 第1局 1日目 羽生竜王VS広瀬八段

とうとう竜王戦の季節がやってきました。絶対王者の羽生竜王への挑戦権を得たのが、トッププロの1人である広瀬八段です。広瀬八段は現在11連勝中と絶好調です。最近の羽生竜王との対局も2連勝中です。一方の羽生竜王前人未到のタイトル通算100期目を目指す戦いになります。敗れると1991年以来27年ぶりに無冠となります。勝っても負けても時代に一つの区切りを迎える大一番です。


2手目

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羽生竜王 ▲ なし

広瀬八段 △ なし

 

振り駒の結果、羽生竜王が先手となりました。両者ともに居飛車を明示しました。広瀬八段はもともと振り飛車穴熊を得意としていましたが、現在は最新形の居飛車を主な戦場としています。羽生竜王はオールラウンダーですが、基本は居飛車で戦います。



32手目

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羽生竜王 ▲ 角

広瀬八段 △ 角


戦型は角換わりになりました。流行中の形です。この局面で昼食休憩に入りました。昼食は羽生竜王がチャバタサンドウィッチとオレンジジュースで、広瀬八段がずわい蟹のピラフでした。午後からの対局にも注目です!



48手目

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羽生竜王 ▲ 角、歩

広瀬八段 △ 角、歩2枚


この局面で封じ手となりました。▲7四歩は△同飛で金当たりとなり、飛車が捌けた形になります。なので、先手は▲4七玉も考えられますが、△4四歩とされると▲4五桂を防ぐ手が考えられます。羽生竜王封じ手に注目です!!






第49期新人王戦決勝 第1局 出口三段VS藤井七段

新人王を決める戦いが開幕しました。出口三段は奨励会員で、奨励会員が優勝すると次点が与えられます。次点を2つ取るとプロ棋士になれるので、出口三段にとっては運命をかけた一戦になりそうです。一方の藤井七段は今年の1月の段階では四段でしたが、昇級を重ね現在は七段です。来年の新人王戦は参加資格、六段以下に引っかかるため参加できません。最後の新人王戦で優勝できるのか注目の一戦です。


2手目

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出口三段 ▲ なし

藤井七段 △ なし


振り駒の結果、出口三段が先手になりました。藤井七段はプロになってから2手目は全て△8四歩と指しています。



39手目

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出口三段 ▲ 歩

藤井七段 △ 歩


この局面で昼食に入りました。昼食は出口三段がカツ丼、藤井七段がぶっかけうどん定食です。後手としては次の▲3四銀の対応を考えたいところです。藤井七段の対応に注目です!



96手目

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出口三段 ▲ 角、歩6枚

藤井七段 △ 角、歩


厳しそうな桂打ちが入りました。▲3八金は△2九角で、▲4九金は△4八歩、▲5九金、△3八角があります。後手が勝利に近づいています。



投了図

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出口三段 ▲ 銀、桂、歩6枚

藤井七段 △ 飛車、金


この局面で出口三段が投了しました。第1局は藤井七段が勝利し、新人王に大きく前進しました。第2局は10月17日に関西将棋会館で開催されます。出口三段がカド番を凌ぐのか、藤井七段が新人王に輝くのか?注目の一戦です!!




第68期王将戦挑戦者決定戦 広瀬八段VS糸谷八段

久保王将への挑戦権をかけて、王将リーグも進行中です。現在の成績がこちらです。


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本局は広瀬八段と糸谷八段の一戦で共に1勝ずつしています。リーグ戦はまだまだこれからですが、誰が挑戦権を得るのか注目です!



2手目

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広瀬八段 ▲ なし

糸谷八段 △ なし


居飛車を明示した広瀬八段に対し、糸谷八段は角道を開けました。得意の一手損角換わりを採用するのか注目です!



29手目

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広瀬八段 ▲ なし

糸谷八段 △ 角


戦型は糸谷八段が阪田流向かい飛車を採用しました。後手番で時折採用している戦法です。先手が仕掛けた局面で、△同歩は飛車に金のひもがついているため可能です。



86手目

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広瀬八段 ▲ 金、桂、歩

糸谷八段 △ 飛車、銀、桂、歩2枚


▲6三桂成、△6一銀と引いた局面です。広瀬八段が優勢に局面を進めていましたが、この妙手で逆転しました!



投了図

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広瀬八段 ▲ 金、桂、歩

糸谷八段 △ 飛車、銀、歩2枚


この局面で広瀬八段が投了しました。糸谷八段の逆転勝ちで、リーグ戦成績を糸谷八段の2勝、広瀬八段の1勝1敗となりました。次回の激闘にも期待です!













第4期叡王戦予選 深浦九段VS藤井九段

来年の春に開催される叡王戦の挑戦権を決める戦いが行われています。予選は段位別の中から本戦トーナメントへの出場者を決めます。叡王戦王座戦以来34年ぶりにタイトルに昇格した棋戦で、序列は竜王戦名人戦に次ぐ3位です。

本局は九段戦Aブロック決勝の深浦九段と藤井九段の一戦です。深浦九段は居飛車党で、粘り強い将棋が持ち味の棋士です。一方の藤井九段は序盤の戦法に精通しており、藤井システムや藤井矢倉などの戦法を生み出しました。

そんな2人の激闘に期待です!



2手目

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深浦九段 ▲ なし

藤井九段 △ なし


深浦九段は早々に飛車先の歩をつき、居飛車を明示しました。対する藤井九段は振り飛車党らしく、角道を開けます。対抗形が予想されます。



32手目

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深浦九段 ▲ 角

藤井九段 △ 角


戦型は角交換型振り飛車になりました。この局面で後手から仕掛けました。▲同歩、△同銀、▲同銀、△同飛、▲4七歩は後手の成功と言えそうです。なので、先手としては手を変えたいところです。



118手目

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深浦九段 ▲ 歩2枚

藤井九段 △ 金2枚、香、歩2枚


△7七歩成に変えて、△6八龍で詰めろをかける方が良かったとのことです。後手玉はギリギリ詰まないので、これは後手の勝ちです。▲7七玉から逃走ルートができました。



投了図

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深浦九段 ▲ 飛車、金、香、歩4枚

藤井九段 △ 金2枚、桂2枚、歩2枚


この局面で藤井九段が投了しました。△6三同銀は、▲9三桂成、△同金、▲同角成、△同玉、▲9四香、△同玉、▲9二飛、△9三金、▲8五金で詰みます。藤井九段が優勢を築いていましたが、最後は深浦九段の粘り強い将棋の前に逆転を許しました。深浦九段が本戦トーナメント出場を決めました!

次回の対局にも注目です!!






第68期王将戦挑戦者決定戦 豊島二冠VS中村王座

王将戦の挑戦者を決める戦いも進行しております。本局は豊島二冠と中村王座のタイトルホルダー同士の戦いとなりました。前回の対局は豊島二冠は糸谷八段に激闘の末に敗れ、1敗を喫しています。対する中村王座は渡辺棋王に角換わりから一瞬の隙をつき、完勝しました。リーグ戦もまだ序盤ですが、負けられない戦いが続きます!


44手目

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豊島二冠 ▲ なし

中村王座 △ なし


本局は雁木系の将棋になりました。豊島二冠の5七金はあまり見たことがない形で、今後この金をどのように使っていくのか気になります。この局面で昼食休憩に入りました。昼食は豊島二冠は「にぎりの特上」で、中村王座が「チキンカツ丼」です。午後からの対局にも注目です!!



122手目

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豊島二冠 ▲ 金、歩4枚

中村王座 △ 金、桂、歩3枚


後手が△5七銀と指した局面です。▲4七金は△6六桂や△6八金から攻められてしまいます。なので、先手は▲7九角の一手ですが、その時に後手に後続の手段はあるのか?

激闘の終盤が予想されます!



139手目

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豊島二冠 ▲ 歩

中村王座 △ 金、銀、桂、歩5枚


▲5七金とすごい手が出ました。△5七銀成は▲6三歩成が詰めとなり、この時に先手玉に詰みがあるのかどうか?!



投了図

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豊島二冠 ▲ 歩

中村王座 △ 金2枚、銀、桂、歩7枚


この局面で中村王座が投了しました。先手玉は詰まず、後手は受けても▲5三歩から一手一手です。

これでリーグ戦の成績は両者ともに1勝1敗となりました。混戦のリーグ戦を勝ち抜くのは誰になるのか?!

次回の対局にも注目です!!



第77期A級順位戦 三浦九段VS広瀬八段

名人戦の挑戦権を得るために、熾烈な順位戦が繰り広げられています。本局はA級4回戦で順位戦も中盤に差し掛かっています。三浦九段はここまで3勝0敗と絶好調です。一方の広瀬八段も2勝1敗とまずまずの出だしです。ここで、三浦九段の連勝を広瀬八段が止めるのか?!

注目の一戦です。



26手目

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三浦九段 ▲ 角

広瀬八段 △ 角


戦型は角換わりになりました。先手は棒銀で早速3筋の歩をぶつけました。先手としては攻めの銀を捌ければ成功ですが、遊んでしまう展開は避けたいです。この局面で昼食休憩に入りました。昼食は五目焼きそば、広瀬八段が里芋煮定食です。

午後からの対局にも注目です!



82手目

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三浦九段 ▲ 金、桂、歩

広瀬八段 △ 角2枚、桂、歩2枚


△7七歩成、▲同桂、△7六歩、▲6五桂、△同歩の局面です。ここで、▲7五銀と逃げるのは△5五角が△8八角成、▲同玉、△7七金、▲同金、△同歩成、▲同玉の厳しそうな狙いがあります。ここで銀を逃げずに攻め合った時にどうなるのか?激闘が予想されます!



投了図

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三浦九段 ▲ 角、金、歩2枚

広瀬八段 △ 金2枚、桂、歩6枚


この局面で三浦九段が投了しました。以下、▲同玉、△8九金、▲7八玉、△7九金までの詰みとなります。最後は三浦九段にも勝ち筋がありましたが、激闘の終盤を制したのは広瀬八段でした。これで、両者ともに3勝1敗となり、混戦となってきました。次回の対局にも期待です!!



第68期王将戦挑戦者決定戦 佐藤天彦名人VS渡辺棋王

冬場の恒例行事といえば王将戦ですが、現在久保王将への挑戦権をかけた戦いが進行中です。

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タイトルホルダーが並ぶリーグ戦ですが、今回の対局もタイトルホルダー同士の戦いです。

佐藤天彦名人は現在名人3連覇中で、角換わりや横歩取りを原動力にタイトルを獲得しました。その後は満遍なく戦法を指しているイメージです。力強い受けに定評があります。

一方の渡辺棋王は1回戦の中村王座戦で短手数の将棋で敗れました。挑戦権の獲得のためには負けられない戦いです。

今回はスケジュールの都合で3回戦が行われております。

激闘が予想される本局に注目です!!



64手目

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渡辺棋王 ▲ 角、歩3枚

佐藤名人 △ 歩


戦型は角換わりになりました。△6八歩、▲2九飛から△6九角が佐藤名人の研究の手です。次に△3六角成が見えますが、先手も▲7四歩が見えており、こちらの方が厳しそうです。この局面で昼食休憩に入りました。昼食は佐藤名人が特上にぎりで渡辺棋王ヒレカツ丼です。

午後からの対局にも注目です!!



86手目

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渡辺棋王 ▲銀、香2枚、歩4枚

佐藤名人 △金、歩


△9九銀に▲同玉、△8七角成とした局面は先手受けなしです。ここで、▲4三歩成からの攻めは佐藤名人は詰まないと見ています。果たして読み勝っているのはどちらでしょうか?!激闘の終盤戦にも注目です!



投了図

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渡辺棋王 ▲ 金、銀、歩3枚

佐藤名人 △ 銀、香、歩5枚


この局面で佐藤名人の投了となりました。以下、△9五玉、▲9四金、△8六玉、▲9五銀で詰みです。最後は渡辺棋王が長手数の詰みを見逃さずに勝利しました。全体を通しても佐藤名人の研究を渡辺棋王が冷静に対応した印象です。

これでリーグ成績は渡辺棋王の1勝1敗、佐藤名人の0勝1敗となりました。

今後のリーグ戦の行方にも注目です!!





第67期王座戦一次予選 島本五段VS里見女流四冠

昨日の王座戦の熱戦が冷め止まない中、既に来季の挑戦者を決定する戦いは行われております。

島本五段はプロ9年目の31歳で1度順位戦からフリークラスに降級しました。フリークラスに降級すると、10年間にある一定の成績をあげて順位戦に復帰しないと引退となってしまいます。降級してから5年後に好成績をあげて順位戦に復帰しました。きんとう戦という独特の戦法を用いたり、棋風は個性的な棋士です。

一方の里見女流四冠は「出雲のイナズマ」というキャッチフレーズで、終盤力を武器に女流棋戦で圧倒的な成績を収めています。奨励会の三段に在籍していましたが、2018年をもって年齢制限の26歳になったので、退会しました。今後はプロ編入試験などは受けない方針で、将棋の普及活動やイベントにも力を入れていくとのことです。

そんな両者の激闘に注目です!!


33手目

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島本五段 ▲ 歩

里見女流 △ 歩2枚


戦型は対抗形になりました。後手を持って不満なしの局面です。玉の堅さは美濃囲いで後手の方が堅く、角も捌けそうです。先手としては相手の大駒を押さえる展開にしたいです。この局面で昼食休憩に入りました。昼食は島本五段が注文なし。里見女流四冠が玉子とじうどんでした。午後からの対局にも注目です!


72手目

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島本五段 ▲ 角

里見女流 △ 歩


ここで後手が桂頭攻めにでました。角も急所のラインに効いており、後手良しの局面です。▲6七銀、△3八歩、▲4六歩、△7六歩、▲同銀、△6六角が一例です。


投了図

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島本五段 ▲ 銀2枚、桂、歩2枚

里見女流 △ 金、歩2枚


この局面で島本五段が投了しました。後手は美濃囲いが手付かずで、投了も止む無しの形勢です。強さを見せつけた里見女流四冠の快進撃に期待です!敗れた島本五段もこの敗戦をバネに他の棋戦にも期待です!