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第77期A級順位戦 広瀬竜王VS糸谷八段

順位戦も後半に入り、挑戦者と降級者が徐々に絞られてきました。本局は羽生九段のタイトル通算100期を阻止し、竜王位を獲得した広瀬竜王と関西の雄である糸谷八段との一戦です。ここまで広瀬竜王は4勝1敗で挑戦権を狙える位置にいます。一方の糸谷八段は3勝2敗で踏ん張りどころです。本局を制し挑戦社争いに生き残るのはどちらになるのでしょうか?


8手目

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広瀬竜王 ▲ 角

糸谷八段 △ 角


糸谷八段が得意の一手損角換わりに誘導しました。最近では阪田流向い飛車などの採用も目立ちますが、本局は角換わりで迎え撃ちます!



23手目

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広瀬竜王 ▲ 角

糸谷八段 △ 角


広瀬八段が一手損角換わりの有効策である早繰り銀で対抗しました。△同歩ですと銀が進出され、2筋の突破を図られてしまいます。



42手目

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広瀬竜王 ▲ 角、歩

糸谷八段 △ 角


先手が2筋の交換に成功し、好調のように見えます。先手は攻めの銀をどのように捌くのが注目です。後手の狙いは▲同歩、△同銀、▲3四歩に△4四銀をぶつけるのが狙いです。



61手目

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広瀬竜王 ▲ 歩

糸谷八段 △ 歩2枚

 

△4七歩成を防いだ一手です。次に▲5六歩と突けば角を捕獲できるので、△6五歩が考えられますが、玉頭でもあるので反動も厳しそうです。



66手目

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広瀬竜王 ▲ 歩

糸谷八段 △ 歩


▲同角と取ると△4七歩成が厳しそうなので、▲同飛の一手ですが、角の活用ができないのが後手の主張です。


79手目

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広瀬竜王 ▲ 銀、歩

糸谷八段 △ 歩3枚


先手の攻めが玉頭を攻めていて厳しそうです。△同桂、▲6六銀のときに△4九成銀で角を取ったとしても、先手の攻めが急所を突いている印象です。しかし、糸谷八段も豪腕で知られた棋士ですので、対応に注目です。



85手目

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広瀬竜王 ▲ 銀、桂、歩

糸谷八段 △ 歩4枚


△同飛ですと、▲7五歩があります。後手は先手で△8九歩成と桂馬を取れますが、飛車の対応が難しそうです。



97手目

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広瀬竜王 ▲ 銀、桂、歩4枚

糸谷八段 △ 桂、歩


後手は△7三桂合の一手です。後手は駒が不足しており、先手玉に迫ることができません。先手がどのように決めるのか?



投了図

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広瀬竜王 ▲ 銀、桂、歩4枚

糸谷八段 △ 歩


この局面で糸谷八段が投了しました。△6五歩ですと、▲2七角が厳しそうです。投了もやむを得ません。広瀬竜王がタイトルホルダーの貫禄を見せつけました。これで、広瀬竜王が5勝1敗となり、全勝の豊島二冠を追います。糸谷八段は3勝3敗となりました。次回の対局にも注目です。