将棋の神様 〜将棋ブログ〜

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第45期棋王戦予選 藤井七段VS村田六段

今期の棋王戦は渡部棋王と広瀬竜王のカードで2月から開幕しますが、来期の挑戦者を決める戦いが既に始まっております。

本局は藤井七段と村田六段の一戦になります。


21手目

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村田六段 ▲ なし

藤井七段 △ なし


村田六段が思い切った作戦を採用しました。先手は銀冠に組むと思いますが、▲2五歩と伸ばしており、どのように影響するのか注目です。



28手目

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村田六段 ▲ なし

藤井七段 △ なし


先手は銀冠まで組めればいいのですが、組み前に後手が急戦を仕掛けそうな雰囲気です。▲8八玉まで囲んでも▲3六歩がコビンが空いていて少し怖いところでもあります。



38手目

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村田六段 ▲ なし

藤井七段 △ なし


印象としては先手がまとめづらそうな局面です。先手は離れ駒が多いで、神経を使いそうです。



46手目

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村田六段 ▲ 桂

藤井七段 △ 銀、桂、歩


現状の駒割りは互角です。まだまだ難しい局面が続きそうです。



52手目

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村田六段 ▲ 桂、歩

藤井七段 △ 銀、桂


後手が3筋が拠点を作り、角交換を持ちかけました。後手が指しやすそうだとは思います。角交換の後に△2八角もあります。



68手目

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村田六段 ▲ 金

藤井七段 △ 銀、桂2枚、歩3枚


▲同銀ですと△8九馬、▲同飛、△7七飛車成で後手が良さそうです。ただ先手の受けも難しそうです。



78手目

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村田六段 ▲ 歩

藤井七段 △ 銀2枚、桂2枚、歩3枚


後手が龍を作ることに成功し、桂の犠打を打った局面です。終盤は駒の損得よりも速度が大切です。



82手目

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村田六段 ▲ 飛、歩

藤井七段 △ 角、金、銀2枚、桂2枚、歩3枚


△3八金、▲5九玉、△4九金までの詰めろです。先手は詰めろを受ける必要があります。後手が優勢になったと思いますが、先手がどのように受けるか注目です。



投了図

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村田六段 ▲ 飛、歩

藤井七段 △ 角、金、銀、桂2枚、歩3枚


この局面で村田六段が投了しました。次に△4九金からの詰みがあるため投了もやむを得ません。

藤井七段が強さを見せつけた一局でした。これからの両者の活躍に期待したいです!
















第32期竜王戦1組ランキング戦 豊島二冠VS三浦九段

羽生九段が通算タイトル100期獲得か無冠になるのか、注目の竜王戦が行われ広瀬竜王が誕生した竜王戦ですが、来期の挑戦に向けた新たな戦いは既に行われております。

本局は豊島二冠と三浦九段の一局です。



15手目

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豊島二冠 ▲ 歩3枚

三浦九段 △ 歩2枚


戦型は横歩取りになりました。豊島二冠、三浦九段ともに研究家で横歩取りももちろん研究してきていると思います。



26手目

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豊島二冠 ▲ 歩2枚

三浦九段 △ 歩2枚


お互いに陣形を整えて、開戦に備えます。



41手目

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豊島二冠 ▲ 角、歩

三浦九段 △ 角、歩


先手が2筋で謝りました。悔しそうな手ではありますが、先手の主張は後手が手数をかけて攻めてきたところを1手で止めたことでしょうか?



47手目

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豊島二冠 ▲ 角、歩

三浦九段 △ 角、歩


意外なところから開戦しました。△同歩は▲4六角があるので、歩で取ることはできません。



54手目

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豊島二冠 ▲ 角、歩2枚

三浦九段 △ 角、歩2枚


三浦九段が動きました。▲同歩に△2七歩まで進みそうですが、その時の豊島二冠の対応に注目です。



64手目

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豊島二冠 ▲ 角、歩3枚

三浦九段 △ 角


豊島二冠が金矢倉から銀立ち矢倉に進展させました。次に▲7五歩と位を取られると厳しそうなので、後手は歩切れになりますが、歩を打った局面です。先手が良さそうに思えます。



72手目

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豊島二冠 ▲ 角、歩4枚

三浦九段 △ 角


後手が1筋を突き捨て、仕掛けました。先手が▲同歩と対応した時の対応が難しそうです。三浦九段に秘策はあるのでしょうか?



77手目

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豊島二冠 ▲ 歩5枚

三浦九段 △ 角


次の▲4三歩成が受けにくいです。後手は歩切れですので受けも難しそうです。



97手目

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豊島二冠 ▲ 歩7枚

三浦九段 △ 角2枚、銀、歩


先手が好調に攻めています。▲6三歩成とする前に桂馬を跳ねました。金取りと守りの銀に2枚当たっており、攻めが続きそうです。後手にうまい手はあるのでしょうか?



107手目

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豊島二冠 ▲ 金、銀、歩6枚

三浦九段 △ 角2枚、銀、桂、歩2枚


タダのところに▲8四銀と打ちました。△同金ですと▲6三歩成が厳しそうです。先手の囲いは堅いので、攻めさえ続けば自然に勝てそうな局面です。



投了図

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羽生九段が通算タイトル100期獲得か無冠になるのか、注目の竜王戦が行われ広瀬竜王が誕生した竜王戦ですが、来期の挑戦に向けた新たな戦いは既に行われております。

本局は豊島二冠と三浦九段の一局です。



15手目

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豊島二冠 ▲ 歩3枚

三浦九段 △ 歩2枚


戦型は横歩取りになりました。豊島二冠、三浦九段ともに研究家で横歩取りももちろん研究してきていると思います。



26手目

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豊島二冠 ▲ 歩2枚

三浦九段 △ 歩2枚


お互いに陣形を整えて、開戦に備えます。



41手目

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豊島二冠 ▲ 角、歩

三浦九段 △ 角、歩


先手が2筋で謝りました。悔しそうな手ではありますが、先手の主張は後手が手数をかけて攻めてきたところを1手で止めたことでしょうか?



47手目

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豊島二冠 ▲ 角、歩

三浦九段 △ 角、歩


意外なところから開戦しました。△同歩は▲4六角があるので、歩で取ることはできません。



54手目

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豊島二冠 ▲ 角、歩2枚

三浦九段 △ 角、歩2枚


三浦九段が動きました。▲同歩に△2七歩まで進みそうですが、その時の豊島二冠の対応に注目です。



64手目

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豊島二冠 ▲ 角、歩3枚

三浦九段 △ 角


豊島二冠が金矢倉から銀立ち矢倉に進展させました。次に▲7五歩と位を取られると厳しそうなので、後手は歩切れになりますが、歩を打った局面です。先手が良さそうに思えます。



72手目

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豊島二冠 ▲ 角、歩4枚

三浦九段 △ 角


後手が1筋を突き捨て、仕掛けました。先手が▲同歩と対応した時の対応が難しそうです。三浦九段に秘策はあるのでしょうか?



77手目

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豊島二冠 ▲ 歩5枚

三浦九段 △ 角


次の▲4三歩成が受けにくいです。後手は歩切れですので受けも難しそうです。



97手目

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豊島二冠 ▲ 歩7枚

三浦九段 △ 角2枚、銀、歩


先手が好調に攻めています。▲6三歩成とする前に桂馬を跳ねました。金取りと守りの銀に2枚当たっており、攻めが続きそうです。後手にうまい手はあるのでしょうか?



107手目

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豊島二冠 ▲ 金、銀、歩6枚

三浦九段 △ 角2枚、銀、桂、歩2枚


タダのところに▲8四銀と打ちました。△同金ですと▲6三歩成が厳しそうです。先手の囲いは堅いので、攻めさえ続けば自然に勝てそうな局面です。



投了図

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豊島二冠 ▲ 金、銀、歩5枚

三浦九段 △ 角2枚、銀、桂、歩3枚


この局面で三浦九段の投了となりました。豊島二冠はランキング戦の2回戦に進出、破れた三浦九段は5位出場者決定戦に回ることになりました。次回の対局にも注目です!






























第77期A級順位戦 広瀬竜王VS糸谷八段

順位戦も後半に入り、挑戦者と降級者が徐々に絞られてきました。本局は羽生九段のタイトル通算100期を阻止し、竜王位を獲得した広瀬竜王と関西の雄である糸谷八段との一戦です。ここまで広瀬竜王は4勝1敗で挑戦権を狙える位置にいます。一方の糸谷八段は3勝2敗で踏ん張りどころです。本局を制し挑戦社争いに生き残るのはどちらになるのでしょうか?


8手目

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広瀬竜王 ▲ 角

糸谷八段 △ 角


糸谷八段が得意の一手損角換わりに誘導しました。最近では阪田流向い飛車などの採用も目立ちますが、本局は角換わりで迎え撃ちます!



23手目

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広瀬竜王 ▲ 角

糸谷八段 △ 角


広瀬八段が一手損角換わりの有効策である早繰り銀で対抗しました。△同歩ですと銀が進出され、2筋の突破を図られてしまいます。



42手目

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広瀬竜王 ▲ 角、歩

糸谷八段 △ 角


先手が2筋の交換に成功し、好調のように見えます。先手は攻めの銀をどのように捌くのが注目です。後手の狙いは▲同歩、△同銀、▲3四歩に△4四銀をぶつけるのが狙いです。



61手目

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広瀬竜王 ▲ 歩

糸谷八段 △ 歩2枚

 

△4七歩成を防いだ一手です。次に▲5六歩と突けば角を捕獲できるので、△6五歩が考えられますが、玉頭でもあるので反動も厳しそうです。



66手目

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広瀬竜王 ▲ 歩

糸谷八段 △ 歩


▲同角と取ると△4七歩成が厳しそうなので、▲同飛の一手ですが、角の活用ができないのが後手の主張です。


79手目

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広瀬竜王 ▲ 銀、歩

糸谷八段 △ 歩3枚


先手の攻めが玉頭を攻めていて厳しそうです。△同桂、▲6六銀のときに△4九成銀で角を取ったとしても、先手の攻めが急所を突いている印象です。しかし、糸谷八段も豪腕で知られた棋士ですので、対応に注目です。



85手目

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広瀬竜王 ▲ 銀、桂、歩

糸谷八段 △ 歩4枚


△同飛ですと、▲7五歩があります。後手は先手で△8九歩成と桂馬を取れますが、飛車の対応が難しそうです。



97手目

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広瀬竜王 ▲ 銀、桂、歩4枚

糸谷八段 △ 桂、歩


後手は△7三桂合の一手です。後手は駒が不足しており、先手玉に迫ることができません。先手がどのように決めるのか?



投了図

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広瀬竜王 ▲ 銀、桂、歩4枚

糸谷八段 △ 歩


この局面で糸谷八段が投了しました。△6五歩ですと、▲2七角が厳しそうです。投了もやむを得ません。広瀬竜王がタイトルホルダーの貫禄を見せつけました。これで、広瀬竜王が5勝1敗となり、全勝の豊島二冠を追います。糸谷八段は3勝3敗となりました。次回の対局にも注目です。









第77期C級1組順位戦 藤井七段VS門倉五段

順位戦も佳境に入り、昇級者や降級者が決定され始める季節になってきました。今回の対局は未だ順位戦負けなしの藤井七段と星が伸び悩んいる門倉五段との対局です。


3手目

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門倉五段 ▲ なし

藤井七段 △ なし


藤井七段が恒例の2手目の8四歩と指しました。対する門倉は端歩を突きました。門倉五段は振り飛車党ですが居飛車も指します。振り飛車を指すならば1筋の歩は玉の逃げ道を確保している手なので損になる手ではないです。早くも駆け引きが行われる展開となりました。



20手目

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門倉五段 ▲ なし

藤井七段 △ なし


門倉五段の作戦は四間飛車でした。まだ居玉をキープしており、藤井システムの可能性が高いですが、藤井七段も端歩にあいさつしており、穴熊に囲うのかは微妙なところです。



32手目

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門倉五段 ▲ なし

藤井七段 △ なし


藤井七段は左美濃に構えました。先手の角道に後手玉が睨まれているだけに危険に思えますが、▲2五歩からの仕掛けも大丈夫と見越しているのでしょうか?


41手目

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門倉五段 ▲ なし

藤井七段 △ なし


とうとう門倉五段が攻めました。△同歩とは取れないとなると、△7三角でしょうか?



57手目

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門倉五段 ▲ 歩

藤井七段 △ 歩3枚


先手が桂を繋いだ局面です。後手が同桂と取ると▲同桂、△同金、▲3四桂が詰めろ飛車取りになり厳しそうです。なので、△同金で取ると思われますが、そこで門倉五段に厳しい手があるのでしょうか?



投了図

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門倉五段 ▲ 飛車、金3枚、銀、桂

藤井七段 △ 角、銀、桂、歩4枚


この局面で門倉五段が投了しました。難解な局面が続きましたが、藤井の巧みな差し回しで勝利を収めました。これで藤井七段は順位戦7連勝で昇級が見えてきました。門倉五段は1勝6敗で踏ん張りどころです。次回の対局にも注目です!













第77期A級順位戦 豊島二冠VS深浦九段

順位戦も折り返しの5回戦まで進行しています。現在、豊島二冠が4連勝で独走しており、1敗で羽生竜王、広瀬八段、三浦九段が追う状況です。対する深浦九段はここまで1勝3敗と調子はイマイチです。ここで豊島二冠の独走を止めて調子に乗れることができるのか?豊島二冠が連勝を伸ばすのか?注目の一戦です!



30手目

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深浦九段 ▲ 角

豊島二冠 △ 角


戦型は角換わりになりました。先後同型の形で最近多い将棋です。角換わりは一気に終盤に入る変化も含んでおり、序盤から目が離せません。



52手目

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深浦九段 ▲ 角、歩

豊島二冠 △ 角


後手から△6五歩、▲同歩、△7五歩と仕掛けました。先手玉が8八にいるので、迫力がある攻めです。後手はどこかで飛車を8筋に戻したいところでもあります。



88手目

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深浦九段 ▲ 角、桂、歩3枚

豊島二冠 △ 桂、歩2枚


△6二飛も考えられた局面ですが、後手は△9五角と王手をかけました。先手の▲8八玉を警戒した手で、▲8八玉には、△8三飛〜△8六歩が厳しいです。先手玉は右辺に逃げていきたいです。


107手目

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深浦九段 ▲ 桂、歩5枚

豊島二冠 △ 金、銀、香


△6二角成、▲同金、△3二角成を狙っていますが、この瞬間は後手玉は安全なので、△6六歩や△6六銀から攻めに出ることが予想されます。どちらが読み勝っているのでしょうか?



投了図

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深浦九段 ▲ 飛車、金3枚、銀、桂、歩5枚

豊島二冠 △ 桂、歩2枚


この局面で深浦九段が投了しました。▲3八合をしても即詰みになります。これで豊島二冠が開幕から5連勝と独走状態に入りました。前期も5連勝しましたが後半星が伸びず、プレーオフの末に挑戦権を獲得することが叶わなかったので、今期はこの勢いのまま挑戦を決めたいところです。一方の深浦九段は1勝4敗となり、降級争いも意識していかなければならない状況になりました。両者の今後の活躍に期待です!













第68期王将戦挑戦者決定戦 佐藤名人VS広瀬八段

11月に入り、冬の訪れを感じさせる季節になってきました。冬の代名詞といえば王将戦ですが、挑戦者を決める戦いが佳境に入ってきました。本局は佐藤名人と広瀬八段の一戦です。ここまでのリーグ成績は佐藤名人が2勝1敗、広瀬八段が4勝1敗です。現在全勝者はおらず、広瀬八段が4勝1敗で抜け出している状況です。佐藤名人が広瀬八段の独走を止めるのか?佐藤名人が挑戦に望むをつなぐのか?注目の一戦です。



29手目

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佐藤名人 ▲ 角

広瀬八段 △ 角


戦型は角換わりになりました。両者得意としている戦法です。佐藤名人が飛車を一段目に引きました。最近お馴染みになった形です。


45手目

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佐藤名人 ▲ 角

広瀬八段 △ 角


先手が玉頭から攻めました。玉頭だけに後手も怖いところです。△同歩は▲同桂、△4四銀、▲7五歩で先手の攻めが続きそうです。


54手目

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佐藤名人 ▲ 角2枚

広瀬八段 △ 金、歩


現局面は角と金の交換で先手の駒得です。しかし、先手も歩切れで均衡は取れていると思います。


71手目

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佐藤名人 ▲ 角、歩

広瀬八段 △ 桂、香、歩5枚


先手が桂と香を捨てた猛攻にでました。△同飛、▲5一角の割り打ちがありそうです。先手の猛攻を凌げば後手の駒得が活かせそうです。先手は玉の堅さを活かした展開にしたいです。



83手目

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佐藤名人 ▲ 香、歩2枚

広瀬八段 △ 桂、香、歩3枚


△1三歩に▲同龍と切った局面です。△同桂、同銀に▲3三香が狙いの一手になります。ここまでくると先手の攻めがうるさそうです。龍を切る手は流石です!



投了図

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佐藤名人 ▲ 金2枚、銀、桂、歩3枚

広瀬八段 △ 飛車、角、歩4枚


この局面で広瀬八段が投了しました。これでリーグ成績を佐藤名人が3勝1敗、広瀬八段が4勝2敗としました。本局は佐藤名人が流石の大局観を見せ、完勝しました。今後の挑戦者争いにも注目です!








第31期竜王戦七番勝負 第3局 2日目 羽生竜王VS広瀬八段

羽生竜王に広瀬八段が挑戦する竜王戦の第3局の2日目が開幕しました。長い1日になりそうな予感がします。


50手目

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羽生竜王 ▲ 歩2枚

広瀬八段 △ 角


一夜明けた封じ手は△8六歩でした。形勢は互角だと思います。先手は2筋の歩が伸びないているのと、後手の歩切れが主張です。後手は桂得が主張です。



65手目

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羽生竜王 ▲ 銀、歩4枚

広瀬八段 △ 角、銀、桂、歩3枚


封じ手の局面から、▲8六歩、△3三桂、▲2四歩、△4五桂、▲同銀、△同銀、▲6三歩成、△同金、▲5五桂、△6二金、▲4三桂成、△同金、▲2三歩成、△同銀、▲2三龍成まで進みました。現局面は先手が桂損で、龍を作りました。先手が良さそうな局面に思えますが、広瀬八段の対応に注目です。



101手目

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羽生竜王 ▲ 歩2枚

広瀬八段 △ 角2枚、銀2枚、桂、歩5枚


先手が▲4二金と打った局面です。先手の攻めが細そうな印象を受けますが、局面は難解だと思います。ただ先手の玉は安泰なので、攻めが繋がるかどうかです。



投了図

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羽生竜王 ▲ 金、歩5枚

広瀬八段 △ 角、銀、歩3枚


この局面で羽生竜王の投了となりました。以下、▲同玉、△5九飛、▲6九歩、△7八銀、▲6七桂成から詰みます。これで広瀬八段が対戦成績を1勝2敗としました。羽生竜王が王手をかけるのか?広瀬八段がタイに戻すのか?注目の第4局は11月24日、25日に京都府の「福知山城」で行われます。次回の対局にも注目です!







第31期竜王戦七番勝負 第3局 1日目 羽生竜王VS広瀬八段

11月に入り、寒さも一段と厳しくなり始めました。そんな寒さも吹き飛ばしてくれそうな熱戦が期待できる竜王戦の第3局が開幕しました。羽生竜王が王手をかけるのか?広瀬八段が反撃の狼煙をあげるのか?注目の一局です。



17手目

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羽生竜王 ▲ 角

広瀬八段 △ 角


戦型は第1、2局と同じ角換わりになりました。角換わりは一気に終盤に入る変化を含んでいるので、序盤から気が抜けません。最近流行の4八金、2九飛型になるのでしょうか?



37手目

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羽生竜王 ▲ 角

広瀬八段 △ 角


後手は流行中の6二金、8一飛型に構えました。先手は▲2五歩を保留しているのが一つのポイントです。将来▲2五桂に跳ねる変化を残しています。▲4七金で桂頭を守り、飛車の横利きを生かしています。



42手目

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羽生竜王 ▲ 角

広瀬八段 △ 角


先手が▲4五歩と位を取った手に対して、後手が6筋から反発しました。羽生竜王は6筋を相手にせずに桂を跳ねました。△2二銀は壁銀になるので指しにくいと思いましたが、次の△2四歩からの桂取りに期待したのでしょうか?ただ、△2五歩、▲同歩が先手の歩が伸びているので、難しい局面だと思います。



49手目

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羽生竜王 ▲ 歩2枚

広瀬八段 △ なし


この局面で広瀬八段が封じ手をしました。現局面は後手の桂得です。先手の主張は2筋の歩が伸びていて形が良いのと、後手の歩切れです。後手の主張は桂得で駒得をしている点です。ここまでの消費時間は羽生竜王が3時間31分、広瀬八段が4時間6分です。2日目の熱戦にも期待です!




第90期棋聖戦一次予選 藤井七段VS今泉四段

本局の勝者が一次予選を突破して二次予選に進出します。藤井七段は午前中に村田六段に勝ち、本局を戦います。過去の対戦成績は1局あり、今泉四段が制しました。


23手目

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藤井七段 ▲ なし

今泉四段 △ なし


今泉四段がノーマル四間飛車に対して、藤井七段が穴熊に組もうとしています。先手は9筋の歩を突いているのがポイントです。後手としては穴熊に組まして戦う作戦でしょうか?後手の動きに注目です。


45手目

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藤井七段 ▲ なし

今泉四段 △ なし


先手が▲6八銀として4枚の穴熊を完成させました。▲8六歩〜▲8七銀で銀冠穴熊が理想的な展開になります。後手としては、銀冠が完成しているので、先手の理想形が完成する前に動きたいところですが・・・



75手目

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藤井七段 ▲ 歩2枚

今泉四段 △ 歩


先手の銀冠穴熊が完成しました。やはり堅さは先手に分があるので、その分先手が指しやすそうに見えます。



102手目

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藤井七段 ▲ 歩

今泉四段 △ 歩


駒の損得はありませんが、先手が馬を作っており、先手が優勢な局面だと思います。後手は次に△4八と金、▲同飛、△5七角成が狙いですので、▲3七桂に△2七歩成で攻めを遅らせる手順が予想されます。



投了図

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藤井七段 ▲ 歩2枚

今泉四段 △ なし


この局面で今泉四段が投了しました。角を助けることはできず、▲3五金、△同銀、▲5三歩成が厳しいです。投了も仕方ありません。これで、藤井七段が二次予選に進出を決めました。藤井七段のタイトル挑戦に期待です!







第66期王座戦 第5局 中村王座 VS 斎藤七段

中村王座の連覇か?斎藤七段の新王座誕生か?注目の王座戦第5局です。ここまで斎藤七段が開幕から2連勝しましたが、中村王座がタイトルホルダーの意地を見せ、フルセットまで持ち込みました。


15手目

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斎藤七段 ▲ 角

中村王座 △ 角


戦型は角換わりになりました。第1、2、4局も角換わりでした。棋界全体として矢倉の採用の減少から角換わりの採用が増加しています。運命の一局も角換わりになりました!



47手目

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斎藤七段 ▲ 角、歩

中村王座 △ 角、歩2枚


先手が銀を進出させました。後手が△6四歩と受けると▲6九飛が予想されます。この局面で昼食に入りました。昼食は斎藤七段が「天ぷらそば御膳」、中村王座が「季節の松花堂会席」です。ここまでの消費時間は斎藤七段が55分、中村王座が1時間48分です。



79手目

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斎藤七段 ▲ 桂、歩2枚

中村王座 △ 歩2枚


現状は先手の桂得です。後手の主張は馬を作っていることですが、大駒が押さえ込まれている印象もあります。先手が優先な局面だと思います。



98手目

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斎藤七段 ▲ 角、桂、歩3枚

中村王座 △ 歩2枚


後手が銀のタダ捨てをした局面です。▲同金に△7六歩で攻めのスピードを重視しました。ただ、△7六歩の局面が詰めろではないので、先手は詰めろをかけていけば勝ちになります。斎藤七段の初タイトルが近いてきました。



投了図

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斎藤七段 ▲ 角、銀2枚、歩2枚

中村王座 △ 金、桂、歩4枚


この局面で中村王座が投了しました。以下、△同玉、▲4三銀成、△同玉、▲4四歩、△同玉、▲5五角、△4三玉、▲4四歩から詰むます。この結果、斎藤七段が初タイトルを獲得し、新王座が誕生しました!斎藤新王座の今後に期待です!敗れた中村七段もこの敗戦をバネに今後の活躍に期待です!






第44期棋王戦挑戦者決定戦 佐藤康光九段 VS 三浦九段

棋王戦のベスト4の最後の椅子をかけた勝負が行われます。現在、佐藤天彦名人、広瀬八段、黒沢五段が既にベスト4を決めています。棋王戦の特徴として、ベスト4からは2敗失格の方式です。本局は挑戦権を得るには一つの山場と言えそうです。


2手目

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三浦九段 ▲ なし

佐藤九段 △ なし


2手目でいきなり、意表の出だしとなりました。佐藤九段の得意戦法としてダイレクト向かい飛車がありますが、本局はどのような構想を練っているのが注目です。



24手目

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三浦九段 ▲ なし

佐藤九段 △ なし


佐藤九段が三間飛車から7筋に飛車を振り直し、早速仕掛けました。後手は居玉で怖いですが、力戦の将棋をまとめるのは佐藤九段の得意としています。



43手目

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三浦九段 ▲ 香、歩3枚

佐藤九段 △ 飛車、角


駒割りは▲飛車と△銀、香の交換となっています。ただ、飛車を逃げた時に手番が後手ですので、▲2二馬とし、金取りを見せる展開が予想されます。次に△3五飛として飛車成りが約束されます。金にもひもがついて、味が良さそうな手です。



55手目

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三浦九段 ▲ 香、歩3枚

佐藤九段 △ 飛車、角、金、歩


先手玉が鉄壁ですので、先手は攻めに専念できそうです。▲7四桂打ちで後手玉の逃げ道を塞ぎました。先手が優先な局面だと思います。後手の粘る手も難しそうですが、様々な修羅場を切り抜けてきた佐藤九段ですので、ここからの粘りに注目です。



65手目

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三浦九段 ▲ 香、歩5枚

佐藤九段 △ 飛車、角、金


王手ですが、合駒をしようにも高い駒しかありません。先手玉は安泰ですので、2手スキでも間に合いそうな展開です。

以後、△5三金、▲同馬、△同銀、▲4三成桂と進みました。クライマックスは近そうです!



88手目

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三浦九段 ▲ 角、歩5枚

佐藤九段 △ 飛車、金、桂、歩


桂を打ちました。▲5四銀が詰めろになっていないので、先手としては勇気がいる局面です。以下、▲5四銀、△5八桂成、▲同金、△4六桂、▲8四角、△5二玉、▲4三歩成、△4一玉、▲7六銀で玉の逃げ道を作りました。やはり玉が上部に逃げるのは寄せにくいです。先手の勝ちが近いています。



投了図

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三浦九段 ▲ 歩5枚

佐藤九段 △ 飛車、金、銀、歩


この局面で佐藤九段が投了しました。以下、△4二玉、▲4三銀成で詰みです。三浦九段がベスト4の最後の椅子を勝ち取りました。次回の対局にも期待です!!











第68期王将戦挑戦者決定戦 渡辺棋王VS広瀬八段

10月も終わりが近づいてきましたが、王将の挑戦者決定戦を進行しております。全勝者がいない混戦模様を抜け出すのは誰になるのか?注目の一戦です。


5手目

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渡辺棋王 ▲ なし

広瀬八段 △ なし


初手▲7六歩に△8四歩と相居飛車の出だしとなりました。最近は角換わりに進むことが多いですが、本局は▲6八銀と矢倉に先手が誘導しました。渡辺棋王が3手目に▲6八銀と指すのは約8ヶ月ぶりです。そもそも矢倉が激減した原因として、後手に有力な急戦策が発見されたからです。ここで、渡辺棋王が矢倉を採用したのは、急戦策に対する研究で成果があったのかもしれません。



15手目

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渡辺棋王 ▲ なし

広瀬八段 △ なし


やはり広瀬八段は急戦策の左美濃急戦の作戦を採用しました。基本この作戦では、相手の飛車先の歩は受けません。△3三角と受けると将来、角頭を攻められるリスクが生じてしまうからです。状況によっては守りの桂も攻めに参加させる場合もあります。飛車先を受けない代わりに、△7四歩〜△7三桂の活用を急ぎ、角道を利用して相手を攻め倒す戦法です。



26手目

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渡辺棋王 ▲ 歩

広瀬八段 △ なし


先手は2筋の歩の交換に成功しました。ここから後手の攻めに対して陣形を整えていく展開が予想されます。後手は囲いは完成しているので、△7三桂から攻め駒の活用を図りました。先手としてはどうしても△6五歩からの角道を利用した攻めが気になるところですが、渡辺棋王の対策はどのようなものなのでしょうか?



29手目

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渡辺棋王 ▲ 歩

広瀬八段 △ なし


先手は玉の囲いを優先しました。ただ、8八に玉を移動させるのは角道に入ってしまうので、すぐには指さないと思われます。後手は△6二金として、将来△7三桂を跳ねたときに備えました。△8一飛や△5六銀も指しておきたい手ですが、どのタイミングで仕掛けるのか注目です。やはり、先手を持って攻められる展開になるので、矢倉を避ける傾向にあるのも頷けます。



34手目

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渡辺棋王 ▲ 歩

広瀬八段 △ 歩


後手から△6五歩と仕掛けましたが、同歩と応じずに▲2四歩と合わせました。△2三歩に▲2八飛は一手パスになるので、▲3四飛とするのでしょか?△2三歩と受けないと、▲2二飛成、△同玉、▲7三角成、△同金、▲5五角成の猛攻があります。後手の△8三飛はその筋を受けた手です。先手が▲6八玉〜▲7八玉としたのは飛車を渡す筋を考えたものだったのかもしれません。渡辺棋王の研究が窺えます。

この局面で昼食休憩に入りました。消費時間は渡辺棋王が31分、広瀬八段が1時間11分です。昼食は渡辺棋王がカツ丼とざるそば、広瀬八段がしょうが焼き定食です。



46手目

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渡辺棋王 ▲ 歩2枚

広瀬八段 △ 歩3枚


ただの所にに銀を進出させました。▲同玉、△3四銀、▲3五飛、△同銀で二枚換えになりますが、次に2八飛と打つ筋もあります。形勢は難しそうですが、先手が駒得を生かせる展開にすることができるかがポイントです。



57手目

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渡辺棋王 ▲ 銀、歩2枚

広瀬八段 △ 歩


なんと渡辺棋王は△2八飛に対して、▲1八銀と辛抱しました。駒得ですが、この銀は将来働くことは期待できません。ただ後手の手段も難しく、△2六歩は▲3九銀で飛車が捕獲されます。



79手目

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渡辺棋王 ▲ 銀、歩2枚

広瀬八段 △ 歩2枚


長い戦いになりました。依然として先手が駒得を維持していますが、後手も龍を守りに生かしています。どこが焦点になるのか難しい将棋です。



105手目

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渡辺棋王 ▲ 銀、歩5枚

広瀬八段 △ 銀、香、歩


渡辺棋王が流石の粘りにでています。これはまだまだ長い戦いになりそうです。



144手目

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渡辺棋王 ▲ 角、金、香、歩5枚

広瀬八段 △ 金、銀、桂、香、歩4枚


この局面で渡辺棋王が投了しました。これでリーグ成績を広瀬八段が3勝1敗、渡辺棋王が1勝2敗とし、渡辺棋王が混戦を一歩抜け出しました。次回の対局にも期待です!










第39回日本シリーズJT杯 丸山九段VS菅井七段

日本シリーズも準決勝まで進行しており、準決勝第1局では渡辺棋王が羽生竜王を破り決勝進出を決めています。本局は準決勝の第2局で、渡辺棋王が待つ決勝に駒を進めるのどちらか?注目の一戦です。



12手目

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菅井七段 ▲ なし

山九段 △ なし


戦型は相振り飛車になりました。先手の菅井七段がゴキゲン中飛車を示唆すると、丸山九段が角道を止め、向かい飛車に振りました。丸山九段としては居飛車で迎え撃つ選択肢もあったところです。



36手目

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菅井七段 ▲ 歩

山九段 △ 歩


先手が手損で2筋に飛車を振り直しました。向かい飛車に誘ったことに満足したのでしょうか?先手は9筋が広いことがポイントです。現局面は後手から桂頭を攻めた局面で、先手がどのように受けるのか注目です。

以後、▲7七歩、△8五銀、▲8六歩、△6三金、▲4六角、△8六銀、▲3五角と進み、互角の局面が続きました。



71手目

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菅井七段 ▲ 金、銀、歩

山九段 △ 角、桂、歩3枚


先手が2筋の突破に成功し、龍で後手玉にプレッシャーをかけている局面です。先手が良さそうな局面です。



投了図

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菅井七段 ▲ 銀、歩

山九段 △ 角、桂、歩3枚


この局面で丸山九段が投了しました。決勝進出を決めたのは菅井七段で、11月18日に渡辺棋王と戦います。次回の対局にも注目です!




第68期王将戦挑戦者決定戦 豊島二冠VS郷田九段

王将戦の挑戦者決定リーグも中盤に入ってきました。現在、全勝者がいない混戦模様です。豊島二冠、郷田九段ともにここまで1勝2敗の成績です。本局に勝って挑戦者争いに生き残りたいです。



11手目

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豊島二冠 ▲ 角

郷田九段 △ 角


戦型は角換わりになりました。最近、相居飛車では本当に角換わりが多いです。豊島二冠は序盤の研究も相当している研究家なので、序盤から気が抜けません!



41手目

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豊島二冠 ▲ 角

郷田九段 △ なし


開戦は歩の突き捨てからの格言通りに1筋の歩を突き捨てた局面です。後手は6四の角がどこまで働くのかがポイントになります。現局面から△同歩、▲同香、△同香、▲2六角の攻めがあります。



52手目

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豊島二冠 ▲ 角、歩

郷田九段 △ 歩


先手の駒が躍動している印象を受けます。右辺の桂、香も攻めな参加しており、遊び駒がありません。後手は対応を間違えると一気に形勢に差が出る局面です。



75手目

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豊島二冠 ▲ 角、歩3枚

郷田九段 △ 角、銀、桂、香、歩


先手が王手でと金作りに成功しました。形勢は先手が良さそうです。△5四銀、▲2二と金、△8六歩には、▲8二歩があります。



81手目

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豊島二冠 ▲ 金、歩4枚

郷田九段 △ 角、銀、桂、香、歩


厳しそうな角打ちが入りました。後手の粘り方も難しそうに思えます。先手玉は堅く、攻め合いに持ち込むことも難しそうです。



投了図

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豊島二冠 ▲ 銀、歩4枚

郷田九段 △ 角、銀、桂、香


この局面で郷田九段の投了となりました。△同金には▲6四角があり、△8六銀には▲6四銀があり、投了もやむを得ない局面です。これで、リーグ成績を豊島二冠が2勝2敗、郷田九段が1勝3敗としました。次回の対局にも期待です!









第60期王位戦予選 渡辺棋王VS石井五段

9月に豊島王位が誕生しましたが、来期に向けた挑戦は既に始まっています。王位戦の特徴として、下克上が起こりやすく、低段の棋士でも勢いそのままにタイトルを取ることもあります。王位戦は他の棋戦とは異なり、シードを採用していません。タイトル保持者やA級、B級1組などの棋士でも予選から戦います。そのため、番狂わせも多い棋戦でもあります。今回の対決もタイトルホルダーと五段の勝負となりました。


11手目

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渡辺棋王 ▲ 角

石井五段 △ 角


近年の相居飛車では角換わりが多いです。その一因として、矢倉の採用率の低下があります。角換わりは一気に終盤になる変化も秘めており、序盤から見ものです!



41手目

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渡辺棋王 ▲ 角

石井五段 △ 角


渡辺棋王竜王棋王永世称号を獲得しています。ただ王位の獲得はなく、タイトル挑戦を狙います。一方の石井五段は受けの棋風で、四段昇格時には、森内九段の将棋をよく研究していた旨を伝えています。今回も渡辺棋王の攻め、石井五段の受けの展開が見れるでしょうか?現局面は後手が△3五歩と桂頭を攻めたのに対して、▲4五歩と切り返した局面です。



114手目

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渡辺棋王 ▲ 角、銀、歩2枚

石井五段 △ 金、銀、桂、歩3枚


後手が△7五歩と指した局面で、先手の銀冠の急所を突いた一手です。ただ、手番が先手に回ってきたので、5五にいる角や4四にいる金を攻めたいところです。



147手目

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渡辺棋王 ▲ 金、銀、歩3枚

石井五段 △ 飛車、角、歩5枚


▲4五金歩に変えて、▲3五歩なら後手玉が詰んでいました。以下、△同玉、▲2六金、△4六玉、▲3六金、△同と、▲同馬からの詰みがありました。



投了図

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渡辺棋王 ▲ 角、銀、歩3枚

石井五段 △ 飛車、金、銀、香、歩8枚


この局面で渡辺棋王の投了となりました。途中、後手玉に詰みがありましたが、渡辺棋王が逃した形となりました。王位戦ならではの下克上が起こりました!次回の対局にも注目です!